内務大臣時代の原敬を取り上げる企画展「内務大臣・原敬-巨大官庁“内務省”を率いた男-」が現在、原敬記念館(盛岡市本宮4)で開かれている。
原が初めて内務大臣に就任して今年で120年となることから企画した同展。原は総理大臣に就任する以前、内務大臣を3回務めている。担当学芸員の佐々木章行さんは「総理大臣時代以外の原さんの仕事を紹介する機会はなかなかないので、節目のタイミングで取り上げようと思った」と話す。
内務大臣は、地方行政や警察、衛生、土木といった内政行政を管轄していた「内務省」の長で、副総理大臣に当たるポストだった。「内務省は現在はない省庁なのでぴんとこないと思うが、管轄分野が広く、『省庁の中の省庁』とも言われた何でも屋のようなところだった。内務大臣に原さんが取り組んだ政策は、総理時代につながるものも多く、プレ総理時代とも言える。この時期の仕事ぶりも知ってもらいたい」と佐々木さん。
展示は3章構成で、原敬日記や原が残した文書などの資料を並べる。1章は内務省の解説。2章では内務大臣時代を1次~3次に分け、各時代に取り組んだ政策や原と共に仕事をした人物について取り上げながら、内務大臣としての原を詳しく紹介する。
初めて内務大臣に就任した年の日記には「余内務大臣に任ぜられる」と記され、辞令も残っている。1度目の内務大臣時代は、警視庁の改革や地方官の更迭、港湾調査会の設置など地方行政や交通、治安に関する行政に取り組んだ。警視庁の改革については原敬日記の記録のほか、警視庁と罫線が引かれた紙をとじた「罫紙帳」をかけた風刺画「罫紙帳のとじ直し」を展示している。3度目の時には行政と財源の整理に力を入れており、「深夜まで資料を調べて整理が足りない省庁を判断した」と記録した当時の日記や、人員の削減について記された行財政整理関係表を展示している。
3章では総理大臣として原が取り組んだ内務政策を取り上げ、内務大臣時代に実現できなかった郡制制度の廃止や衆議院議員選挙法の改正を、総理大臣として達成したことを紹介。郡制の廃止は、原にとって生前最後となった議会で成立したという。佐々木さんは「少しマニアックな内容の展示だが、内務大臣時代の仕事や人間関係が総理時代に続いていくのを見ると、ドラマチックだなと感じるところもある。公正、公平を目指した原さんがどんなことに取り組んだのか、日記の記述も面白いので併せて見てもらいたい」と話す。
開館時間は9時~17時(最終入館は16時30分)。月曜休館。入館料は、一般=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。8月16日まで。