岩手県は現在、岩手の魅力を発信する短編アニメ動画「ゴールデンゴッド」の放送・配信を行っている。

1月23日に配信された2話のテーマはスポーツ。スキージャンプの選手のシルエットが登場

　同作品は、漫画を活用して岩手の魅力発信とブランド力の向上を図る「いわてマンガプロジェクト」の一環として制作。同プロジェクトでは岩手を題材にした漫画を掲載するウェブ漫画サイト「コミックいわて」の運営や、同サイト配信作品を収録した単行本「コミックいわて」の発行などに取り組んでいるが、アニメを使った取り組みは初めてとなる。

　アニメを選んだ背景には関係人口の拡大を図る目的のほか、若者世代へアプローチする狙いもある。県文化振興課の担当者・金亜希子さんは「若い世代が情報収集に使うSNSは動画との親和性が高く、特に近年は再生時間の短い動画が注目を集めている。短いアニメはSNSでも広まりやすいと考えている」と話す。

　タイトルは「ゴールデンゴッド」で、県が掲げるイメージコピー「黄金の國（くに）、いわて。」にちなんだ。内容は黄金と牛に目がない元気な子「ウッシー」と、特産品収集にいそしむサイボーグ「BEN（ベン）」の2人が一緒に旅をしながら岩手のさまざまな魅力に触れる物語。ウッシーとBENはそれぞれ牛若丸と弁慶をモチーフにしたデザインで、ウッシーは牛肉の食べ過ぎで髪の毛が牛の顔に変化していたり、BENはバックパックにたくさんの特産品を詰め込んでいたりと、ユニークな設定が付いている。

　ウッシーの声は大槌町出身の佐藤ひろ美さん、BENの声は秋谷啓斗さんが担当。ゲストキャラクターとして盛岡出身声優の佐々木未来さんと八代拓さん、滝沢市出身の芸人・村民代表南川さんも出演を予定している。

　同アニメは1月16日から「岩手めんこいテレビ」での放送と、ユーチューブの「岩手県公式動画チャンネル」での配信を開始。アニメ各話のテーマには、岩手の観光名所や世界遺産、スポーツ、食、伝統工芸などを取り上げ、短い時間に岩手の特徴的な文化を詰め込む。約2分の長さのため展開が早く、視聴者からは「疾走感が癖になる」という感想も寄せられているという。

　全8話で、そのうちの1話については英語・中国語・フランス語の字幕版も配信予定。金さんは「スピード感があるアニメなので何度も繰り返して見て、小ネタを探してもらいたい。たとえばBENが特産品を入れているバックパックの中身もじっくり見てほしい。岩手の魅力を短時間にぎゅっと詰め込んだ。岩手だけではなく、日本全国、世界中のいろんな人に楽しんでもらい、いつか興味を持って岩手を訪れてもらえれば」と期待を寄せる。

　配信・放送は毎週月曜。テレビ放送は20時54分～、配信は21時～。