岩手の米をテーマにした企画展「岩手のお米 今むかし」が現在、岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)で開かれている。
全国的な米の品薄や価格高騰が起こった「令和の米騒動」を受けて、テーマに選んだという。担当者の山本祥子さんは「近年は米にまつわる話題に注目が集まることが多い。現在、米の品薄や価格高騰は落ち着きつつあるが、実りの秋や食欲の秋、岩手の稲刈りシーズンの到来に合った企画展になったと思う」と話す。
展示は3章構成。第1章は「お米の基本」と題して、米がどのような植物なのか、栽培方法、品種と銘柄の違い、日本人と米の歴史、米にまつわる文化といった基礎知識を図鑑などの資料で紹介。米にまつわる文化の中では、県内の年中行事やもち食文化、田んぼアートを取り上げる。
第2章は昔の岩手の米、第3章は今の岩手の米の話題に触れる。2章「岩手のお米の昔」では、江戸時代の盛岡藩で起きた凶作と飢饉(ききん)、一揆、大正時代に登場した新品種「陸羽132号」、現在まで続く「江刺金札米」の歩みを取り上げる。
寒冷な気候の盛岡藩は稲作に適さない土地であった一方、江戸時代の経済社会は米の収穫量で土地の価値を測る「石高制」に基づいていたため、農民の苦労が絶えず、飢饉や一揆が頻発した藩としても知られる。その後、寒さや病気に強い新品種「陸羽132号」の登場により、県産米の品質向上が進み、味の良さで評価を得た「江刺金札米」につながっていくという。第2章の資料には、飢饉の盛岡城下の様子を描いた貴重資料や、陸羽132号について触れた詩が載っている宮沢賢治の「春と修羅」などが並ぶ。
第3章「岩手のお米の今」では、3つの岩手県オリジナル品種「銀河のしずく」「金色(こんじき)の風」「白銀のひかり」を紹介しながら、「米どころ」として成長を続ける岩手の米作りやスマート農業について触れる。
山本さんは「かつて岩手県産米は、『岩手のぬれ米はアヒルも食わない』とも言われ、品質も悪く、評価も低かった。それが現在では収穫量も増え、研究が進み、オリジナル品種も登場している。岩手のお米には厳しさを乗り越えてきた歴史と物語がある。これから新米の季節なので、お米を食べる時に思い出すきっかけになれば」と話す。
開館時間は9時~20時。9月30日は休館。10月12日まで。期間中、9月13日と10月5日の14時からは企画展関連映画会が開かれる。