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盛岡の酸っぱいリンゴ専門店で果肉が赤いリンゴを販売 利用客の声を形に

果肉まで赤い品種のジェネバ

果肉まで赤い品種のジェネバ

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 「すっぱい林檎(りんご)の専門店。」(盛岡市上田1)が8月25日、果肉まで赤い品種のリンゴ「ジェネバ」の販売を始めた。

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 店名の通り、リンゴの酸味にこだわった独自商品を企画・販売する同店。ジェネバはカナダ原産で、岩手県内でも栽培されているが、花粉だけを使う「受粉樹」として植えられていることがほとんどで、果実はあまり活用されていない。強い酸味があり果汁も少ないことから生食には向かないが、果肉の赤さを生かして加工食品に使われることも多い。

 同店では2018(平成30)年から、同品種を使ったルビー色のジャム「盛岡の初恋」を販売。2020年にはアップルパイを発売し、断面まで真っ赤なパイが話題となった。2つの商品の色や、商品ポスターに使っている果実の写真を見た利用客から「このリンゴを見てみたい、食べてみたい」という声が集まり、果実そのものを販売することにした。

 「皆さんの好奇心がきっかけ。味は酸っぱいし、そのまま食べてもおいしくないと説明しても、食べてみたい、見てみたいという人の方が多い」と店主の藤野里美さん。「ジェネバは人を引き付ける魅力を持った、魅惑のリンゴだと感じている」とも。

 手に入る量が増えたのも、販売を決めた理由の一つ。県内の農家から仕入れているジェネバは、当初は収量が少なく加工に使う分しか手に入らなかったが、少しずつ増加している。さらに同品種を植えている県内外の農家と知り合い、仕入れ先が増えたことで加工に使う分以外も手に入るようになったという。販売用には県産のものを用意する。

 果肉が柔らかく、時間が経過するとスポンジのようになってしまうため、加工に使う場合はすぐ下処理をするか、早めに使い切ることを推奨。乾いた布で拭くと果実自身が持つ油によってつやが出て、インテリアとして置いても楽しめるという。

 藤野さんは「珍しい品種の存在を知ってもらい、リンゴの奥深さを楽しんでほしい。ジェネバは旬が短くて、劣化しやすい。10月に入ると酸味が急激に抜けて、『別人』のようになってしまう。基本的にはやはり加工がお勧めだが、一口くらいはそのまま食べてみて」と呼びかける。

 店舗とネットショップで販売。店頭価格は1個=194円、1キロ=864円。ネットショップは4キロ(目安は30~40個)=4,000円。9月下旬までの販売予定で、なくなり次第終了。店舗の営業時間は11時~17時。月曜・火曜定休。

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