盛岡で「寺山修司演劇祭」 没後35年で全6作品を公演

「寺山作品の魅力を存分に楽しんで」と藤原さん。自身も劇団の一員として参加する。

「寺山作品の魅力を存分に楽しんで」と藤原さん。自身も劇団の一員として参加する。

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 「いわてアートサポートセンター」(盛岡市肴町)内の風のスタジオで、5月4日から「寺山修司演劇祭」がスタートする。

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 寺山修司は青森県出身の劇作家。「毛皮のマリー」などの代表作で知られ、多彩な才能と独特の世界観を持ち今もなお多くのファンに愛されている。演劇祭は同じ東北の地である盛岡で寺山を追悼するとともに、寺山作品の再認識・再発見の機会をつくろうと没後25年の節目にスタート。5年ごとに開催し、今年で3回目を迎える。

 演劇祭が始まるきっかけには、盛岡を拠点に活動する劇団「赤い風」に所属する、おきあんごさんが寺山修司による劇団「天井桟敷」のメンバーであり、「赤い風」で長年寺山作品を上演していたことがあるという。今回の演劇祭では同劇団と実行委員会プロデュース作品のほか、公募団体も含めた全6作品を上演する。

 演劇祭には県内外から団体・個人が参加。寺山が手掛けた舞台作品のほか、彼の作品や人物像を基にした創作劇、「天井桟敷」の劇団総会を再現した対話劇などバラエティーに富んだ演目がそろう。実行委員会プロデュース公演の「この世のことならず」は、寺山による未公開のテレビ脚本「十三(とさ)の砂山」を初めて舞台化する。

 実行委員会事務局の藤原瑞基さんは自身も「劇団ちりぢり」の一員として参加。藤原さんが作・演出を手掛ける「血は立ったまま眠っていない」は、寺山が23歳で書き下ろした戯曲「血は立ったまま眠っている」の要素を取り入れつつ、彼の人物像を虚実織り交ぜて描く創作作品となる。

 藤原さんは「寺山作品の魅力は十人十色の受け取り方ができるところにあると思う。その日の気分や体調、考え方などさまざまな要素の中で、受け手が自由に想像を膨らませることができる」と話し、「寺山ファンの皆さんも、あまり知らないという皆さんも、一度触れたら忘れられない寺山作品の世界を楽しんでもらいたい」と呼び掛ける。

 6作品の上演スケジュール・料金はホームページから確認できる。チケットは風のスタジオのほか、もりおか町家物語館、カワトク、プラザおでって、Cyg art galleryで販売。全公演を何度でも観劇できる「通しチケット」(一般=5,000円、大学生以下=4,000円)は風のスタジオのみで取り扱う。限定20枚。問い合わせは実行委員会事務局(TEL 019-604-9020)まで。

 6月17日まで。

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