盛岡市で顕彰されている5人の先人の手紙を期間限定で公開する展示「盛岡の先人」が現在、盛岡てがみ館(盛岡市中ノ橋通1)で開かれている。
市では2007(平成19)年度から、「盛岡の先人教育」として児童・生徒が授業で盛岡出身の先人について学び、夢や誇り、志を育む取り組みを行っている。このような先人教育が盛んな背景から、盛岡の先人の書簡を中心に収蔵する同館では、市で顕彰されている先人の手紙などの展示を企画したという。
担当者の中野千恵子さんは「盛岡てがみ館には、さまざまな人物の手紙が収蔵されている。それぞれの人物に特化した記念館や博物館を巡るのもいいが、てがみ館では一度に複数人の資料を展示して、それを見てもらえる良さがある。手紙という資料の面白さは、送り主と受け取った人の関係性や、書き文字や文章から読み取れる人柄を想像してもらえるところにもある」と話す。
今回は市が発行する「先人カレンダー」でも紹介している代表的な5人の先人、原敬、新渡戸稲造、米内光政、金田一京助、石川啄木を取り上げ、書簡9点と写真や本などの諸資料13点を展示する。
原の手紙は原の菩提(ぼだい)寺となる大慈寺が落成した知らせを受け、建立費用や原家の法事にかかる費用は自身が負担することを伝えるという内容のもの、米内は恩師に宛てた丁寧な文面の手紙、新渡戸は自身の部下に宛てた手紙を展示。「どの手紙も長く、しっかりとした文章で、手紙で近況報告をする重要性が伝わってくる。原さんの手紙はだんだん文字が斜めになって来ている所に、本人の感じる」と中野さん。
金田一の手紙はアイヌ語を研究する高校生に向けたもので、「アイヌの人々に敬意を持つこと」と優しい言葉で助言している。啄木の手紙は歌集「一握の砂」を発行する前に書かれたもので、間もなく長男が誕生とも報告している。「一握の砂が産婆の役を務める」とあり、子どもの誕生を喜ぶような3首の短歌も添えられている。
中野さんは「市外からの来館者から『この人、盛岡出身なんだ』という驚きの声もある。市民の皆さんや子どもたちに、自分が暮らす街は優れた先人たちを輩出している街だと誇ってもらいたい。手紙から見えるその人らしさも感じてもらえれば」と呼びかける。
開館時間は9時~18時(入館は17時30分まで)。入館料は一般=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。(盛岡市内の小・中学生は無料)。第2火曜休館。12月7日まで。