文化財の修理について取り上げるテーマ展「よみがえる文化財」が現在、もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で開かれている。
同館では2024年度から、東北芸術工科大学文化財保存修復研究センターや専門家の協力の下、収蔵している史資料の修復を本格的に進めている。同館で収蔵している盛岡藩南部家の史資料の中には、収蔵前から経年劣化が進んでいるものもあり、貴重な文化財を守り、より良い状態で展示するためにも修理事業に取り組んでいる。
文化財修理の技術は博物館に欠かせないものである一方、来館者に知ってもらう機会は少ない。担当者の山崎遙さんは「多くの博物館で展示している資料には、展示前に修理を行っているものもある。プロの技術を一部でも見てもらい、博物館ではこんなことをしているんだと知ってもらえればと思い、展示を企画した」と話す。
今回は修理を行った掛け軸1点、立体物3点を修理前の写真と共に展示。どのように修理が行われたのか分かる形にした。修理の過程も写真パネルで紹介し、修理に使う道具の一部も展示する。普段の展示では資料の歴史的な背景などの解説を添えるが、それを最小限にし、修理前の汚れや破損の状況、修理箇所を中心に説明している。
掛け軸は豊臣秀吉から届いた朱印状で、修理前は全体的に折れや剥がれが見られた。修理作業では汚れを落とし、しわを伸ばし、裏打ちし直す様子などを紹介する。立体物の一つは、4代藩主・南部重直が自作した能面「白露(しらつゆ)」。修理前は全体の彩色が剥がれ落ちやすくなっている状態で、額部分には亀裂があった。修理の過程では全体に剥落止めを行い、亀裂も補修されている。
展示の最後では同館が史資料を守るために行っている日常的な管理を紹介。史資料にとって快適な温度や湿度を保ち、劣化を防ぎながら鑑賞しやすい光のコントロール、虫や植物などの生き物の持ち込みや生き物を呼び寄せてしまう飲食物の持ち込み禁止について説明する。
「特に飲食物の持ち込みは、博物館のルールをしっかり確認してほしい。もりおか歴史文化館は、飲み物に限り、1階の自動販売機があるエリアで飲むのはOK」と山崎さん。「飲食物はカビの原因になる。あめやガムを口に入れたまま展示室に入る人が多いので注意してほしい。なぜ博物館が暗いのか、館内に気温計や湿度計がたくさんあるのか、その理由を知ってもらいたい」と話す。
開館時間は9時~19時(入場受け付けは閉館30分前まで)。観覧料は、一般=450円、高校生=300円、小・中学生=150円(盛岡在住・就学の小・中学生は無料)。第3火曜休館。10月19日まで。