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盛岡出身のデザイナー・黒丸健一さんの個展 「地産地消」をキーワードに

個展に合わせて制作した新作5点。左側3点はレストラン、右側2点は「Cyg」を題材にした

個展に合わせて制作した新作5点。左側3点はレストラン、右側2点は「Cyg」を題材にした

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 盛岡出身で岩手を拠点にするデザイナー・黒丸健一さんの個展「黒丸健一 地産地消」が現在、「Cyg art gallery(シグ アートギャラリー)」(菜園1)で開かれている。

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 黒丸さんは盛岡出身で、現在はデザイン事務所「ホームシックデザイン」に所属。ポスターやチラシ、パッケージのデザインを中心に、グラフィックデザイナー・アートディレクターとして活動している。今回の個展は、「ホームシックデザイン」が2021年から開いている同社の展覧会として企画。1回目は同社が手がけた仕事を中心に紹介し、2回目は企画立案から完成までのデザインの過程を解説、3回目は所属デザイナー個人に焦点を当てた。

 同展では黒丸さんが依頼を受けて制作したクライアントワークの数々のほか、自主制作作品、個展のために制作した新作5点を展示。クライアントワークは、「もりおか歴史文化館」や「原敬記念館」で行った企画展のポスターやチラシ、岩手県内各所で文化芸術に関するイベントを行う「アーツライブいわて」のポスターなどが並ぶ。

 企画展や展覧会に関連したポスターを手がけることも多い黒丸さん。「例えば古い資料を並べる展示は、若い人にとってぴんとこない渋みがある。その渋みに振り向いてもらえるようにするのがデザインの仕事。どういう紙を使うかインクを使うかもよく考える」と話す。

 新作は盛岡市のレストラン「Lachs(ラックス)」と、会場となっている「Cyg art gallery」を題材に制作。「Lachs」を題材にした作品は、同レストランが地元食材を使ったメニューを提供している点から岩手山や北上川などをモチーフに3枚のポスターに仕上げた。「Cyg art gallery」を題材にした作品は「Cyg」の文字で構成したアートポスター2点。名前の由来となっている白鳥座にちなんで星座の形を取り入れ、星の部分に穴を開け、つり下げる形で展示している。黒丸さんは「グラフィックといえば平面だが、立体的な展示もできる楽しみを味わってもらえれば」と笑顔を見せる。

 岩手や盛岡に関わる作品が多く並ぶ同展。タイトルや展示のキーワードとして「地産地消」を掲げる。キュレーションを担当する千葉真利さんは「黒丸さんが手がけたデザインを目にしたことがあっても、誰がデザインしたのかを知らない人が多いと思う。岩手のデザイナーが作り上げたことを知ってもらいたい」と呼びかける。

 黒丸さんは「岩手にいても県外からの仕事を受けることができ、どこでデザインの仕事をしていても変わらない時代になった良さはあるが、地産地消は自分のバックボーンになっている。見応えのある展示になっているので、気軽に見に来てもらえれば」と話す。

 開催時間は10時~18時。入場料は500円。水曜・木曜休催。10月24日まで。

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