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IGRが専門学生と踏切の安全啓発漫画作成 事故教訓に幅広く

踏切前での一時停止を強調するような吹き出しでキャラクターが注意する場面

踏切前での一時停止を強調するような吹き出しでキャラクターが注意する場面

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 IGRいわて銀河鉄道(盛岡市青山2)とMCL盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校(中央通3)が、踏切での安全啓発を目的とした漫画を作成した。

シカに似たキャラクターが、警報機が鳴った後に踏切内に入った時の影響を紹介している

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 同社管内では開業以来4件の踏切に関する事故があり、2021年と2022年には連続して発生している。これまでは、文字を中心にした一般向けのチラシとイラストを使った子ども向けのチラシを配布し注意を呼びかけてきたが、文字のみのチラシは注意点が伝わりづらく見る人も限られてしまうため、対象となる世代を区切らず、幅広く安全を呼びかける方法を検討していた。MCL盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校ではアニメ・マンガコースの学生が盛岡東警察署の依頼で「高校生への自転車ルール啓発4コマ漫画」を作成した実績があり、同校に依頼した。

 IGRが伝えたいテーマや安全啓発の内容をアニメ・マンガコースの学生に伝え、内容の監修も行った。学生たちは複数のグループに分かれて、「踏切前の一旦停止」「警報機が鳴り始めた時の注意」「踏切内で閉じ込められた時の対応」「非常停止ボタンの押し方」の4つのテーマで5作品を制作。実際に起こり得る状況を例に挙げながら、自動車と歩行者に向けて踏切で注意すべき項目やもしもの時の行動について紹介する。

 IGRいわて銀河鉄道安全対策室の藤田啓(ひろむ)さんは「踏切で注意してもらいたいことは多く、テーマごとに短くまとめてもらうことで分かりやすい内容となった」と話す。漫画の中には、岩手県内の鉄道で起こりやすい動物と列車の接触をイメージするようなせりふも出てくる。「ストーリーやせりふ、絵の雰囲気については学生の皆さんにお任せした。『あるあるだよね』と思ってしまうようなせりふも学生の皆さんの経験や感性が出ていて面白い」と藤田さんは笑顔を見せる。

 漫画を掲載したチラシは順次IGR各駅に設置。今後はポスターとして列車内・駅構内への掲示するほか、春の新入学シーズンに合わせた安全啓発への活用も検討している。

 漫画を基に学生たちが動画編集や効果音の挿入を行い、アニメーションも作成した。動画配信サイト「ユーチューブ」で公開している。

 藤田さんは「警報機が鳴ったら、踏切内は人も車も自転車も進入禁止というのを守ってもらいたい。特に歩行者や自転車は、警報が鳴ったら急いで渡ってしまいがち。無理に渡らず踏切前で止まって待っていてほしい。踏切を横断しようとどうなるかは今回の漫画でも取り上げているので、読んでみて」と呼びかける。

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