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盛岡で震災復興支援朗読会 小説「三陸津波」など、平穏願う祈りを込めて

他の出演者たちと日々の練習に励む大槻さん

他の出演者たちと日々の練習に励む大槻さん

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 盛岡市指定の保護庭園・景観重要建造物「南昌荘」(盛岡市清水町)で3月11日、東日本大震災復興支援朗読会「小説 三陸津波より『おゆう』」が開催される。

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 小説「三陸津波」は岩手出身の作家・故須知徳平さんの作品で、1896(明治29)年に発生した「明治三陸津波」と、1933(昭和8)年に発生した「昭和三陸地震」を経験し、夫や子どもを失いながらも生きた女性の一生を描いた物語。同作品を朗読する大槻由生子さんは須知さんの了承を得て作品を編集して台本を作り、1990(平成2)年から2011(平成24)年まで毎年朗読を続けてきた。

 最後に同作品を朗読したのは東日本大震災の発災前の3月2日だった。沿岸地域でも同作品の朗読会を行っていた大槻さんは「三陸津波の朗読を聞いてくれた人の中には、被災して無事ではない人もいるかもしれないと思うと、ずっと朗読する気持ちになれずにいた」と振り返る。

 発災から今年で12年がたち、犠牲者の十三回忌に当たることを知った大槻さん。「津波のことを取り上げることが、一つの供養の形になるのではないか」と考え、12年ぶりに「三陸津波」を朗読することに決めた。

 朗読会は3部構成。1部と3部で小説「三陸津波」を前半・後半に分けて朗読する。2部には大槻さんが講師を務める盛岡弁講座の受講生4人が出演し、盛岡弁による朗読や手話パフォーマンスを行う。受講生が朗読する作品も、東日本大震災に関連した作品や平穏を願う思い、平和への祈り、愛や命の尊さを題材にした作品が選ばれている。

 今回は震災復興支援と題し、来場者に募金への協力を呼びかける予定。大槻さんは「小説の中に出てくる地震や津波の描写を読むたびに、東日本大震災当時のことを思い出す。災害の恐ろしさはいつの時代も変わらない。作品に触れてもらいながら12年前のことや、災害と復興に思いをはせてもらえたら」と話す。

 13時30分開演。入場無料(南昌荘入園料300円が必要)。

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