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盛岡に犬猫と快適に暮らせるアパート 学生のアイデア取り入れリノベーション

壁にキャットウオークが付いた猫と暮らす人向けの一室

壁にキャットウオークが付いた猫と暮らす人向けの一室

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 「カントリー不動産」(盛岡市上堂1)と「MCL盛岡ペットワールド専門学校」(盛岡駅前通)、動物保護施設「ペットの里」(滝沢市)が共同で企画した「犬猫と快適に暮らすためのリフォームアパート」が2月に完成した。

犬と暮らす人向きの物件の玄関はリードフックを取り付け、広いスペースを作った

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 カントリー不動産へは犬や猫などペットと暮らせる物件の問い合わせが寄せられるが、市内にはペット可の物件が少なく、その中でも、ペットと暮らしやすい仕様になっているものはさらに少ないという。同社社長の里裕一さんは「ペットと一緒に暮らしたいという相談を受けるたび、物件の少なさにもどかしさを感じる。もっとペットと快適に暮らせる物件があればと考えていた」と話す。

 今回の企画のきっかけには、ペットの里が行う犬や猫の保護活動がある。活動を知った里さんは「賃貸物件でもペットと暮らしやすい部屋があれば、保護された動物を引き取る人が増えるのではないか」と考え、同社が所有する築年数の古いアパートの2部屋をペットとの暮らしに適した物件に改修することを決めた。

 改修に当たり、人とペットが住みやすい環境をつくるために専門的な知識を取り入れようと、動物飼育や医療、ペットビジネスなどについて学ぶ「MCL盛岡ペットワールド専門学校」の生徒から内装デザインのアイデアを募集。40人から集まったアイデアの中から多く寄せられたものや実現性の高いものを採用し、ペットの里が監修した。

 改修したのは市内黒石野のアパート内で、犬向き物件と猫向きの物件が各1部屋。犬向き物件は、もともとあった壁などを取り払って室内や玄関に広い空間を確保し、玄関にはリードフックも取り付けた。猫向き物件は壁にキャットウオーク、扉にキャットドアを設置。縄張り意識が強い猫のために、人と猫が別々に過ごせる部屋も用意した。両物件共に滑りにくい床材や汚れや傷に強いクロスを使い、コンセントの位置を高くするといった工夫も取り入れる。

 2月25日・26日には完成見学会を開いた。大きな反響があり、猫用物件についてはすでに入居予約が入っている。同じアパートで今回リフォームした以外の部屋や、隣接する棟の部屋もペット可としたところ入居者が増えたという。同社では今後、ペットとの暮らしに適したリフォーム物件やペット可の物件を増やす考え。

 「ペット向き物件には需要がある。リフォームについて考えたいという大家の皆さんからの相談も待っている」と里さん。「賃貸でもペットと暮らせるというのは、保護犬や猫を引き取る間口を広げるきっかけにもなると思う。さまざまな人が生活しやすい環境を今後も増やしていければ」と意気込む。

 問い合わせはカントリー不動産が電話(019-601-6760)で受け付ける。

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