盛岡藩の産物と広大な藩領をテーマにした企画展「盛岡藩領物産展-南部ブランドの底力-」が現在、もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で開かれている。
同館の開館15周年記念の一環。盛岡南部家や盛岡藩などに関する資料を収集・保存・公開する同館として、盛岡藩領の広さと各地で産出・生産していたさまざまな品を知ってほしいという思いで企画したという。担当学芸員の熊谷博史さんは「盛岡藩領は、現在の青森県と秋田県の一部が含まれる広大な地域。それを分かりやすく知ってもらう切り口として、今も昔も人を引き付ける『物産』を題材にした。藩の経済を支えていた各地の産物から、地域の特色を感じてほしい」と話す。
展示を構成する上で中心資料となったのが、盛岡藩領で産出・生産される産物をまとめた「産物帳」。展示資料の一つで、江戸幕府に提出した産物帳の控え「御領分産物」には、産物の種類や名称しか記されていない。名称だけでは分からない産物については、どのようなものでどこの産物か分かる注意書きや絵図を加えるように幕府が指示しているという。
熊谷さんは「『まいたけ』と書いてあるページに『やまどりもたし』とあり、キノコだなと予想できるが、現代の私たちにはなじみのない名前で分からない。それは昔の人も同じで、広大な盛岡藩の中のどこで産出されるどんなキノコか知るために、絵図や詳しい解説が必要だった」と話す。
展示のタイトルにもなっている「盛岡藩領物産展」の章では、藩領の地域ごとに産物をまとめた「御領分物産取調書」を基に、盛岡藩の産物とその産地を紹介。献上品として重宝されていた馬や、盛岡藩が誇る名品の一つだったカタクリ、「南部紫根」と呼ばれた「紫草」、盛岡では「かぜ」と呼ばれていたウニ、盛岡藩で盆の迎え火に使う習慣があったカバの木の皮のほか、温泉や土なども産物として名を連ねている。 「現在の青森県の大間ではマグロが有名だが、盛岡藩だった時代は馬が有名だった」と熊谷さん。「マグロは現在の岩手の沿岸地域の産物として産物帳に記載がある。今と昔で名産が変わっているところ、変わらないところがあるのも面白い」と話す。
展示室内では各地の産物を集めてポイントを競う「盛岡藩領産物収集双六(すごろく)」を用意。1階のミュージアムショップでは、かつて盛岡藩だった県内外の地域の協力を得て、各地の名産を販売する「盛岡藩領物産展Real」を展開している。
熊谷さんは「展示で紹介した産物はごく一部。盛岡藩は米の生産量も少なく、裕福ではない藩だと思われがちだが、地域ごとに特色ある産物がこれだけあったんだと知ってもらいたい」と呼びかける。
開館時間は9時~19時(11月からは18時まで、入場は閉館30分前まで)。入場料は、一般=450円、高校生=300円、小・中学生=150円。(盛岡市内在住・就学の小・中学生は無料)。12月14日まで。