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もりおか歴史文化館で「豊臣と南部」展 豊臣政権との関係を示す古文書を展示

南部家と豊臣政権のやりとりが分かる古文書がずらりと並ぶテーマ展示室

南部家と豊臣政権のやりとりが分かる古文書がずらりと並ぶテーマ展示室

 南部家と豊臣政権との関わりを示す資料を展示するテーマ展「豊臣と南部」が現在、もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で開催されている。

県指定有形文化財の南部信直宛豊臣秀吉朱印状(1590年)

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 現在放映中のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」にちなんで企画した同展。豊臣秀吉は1590年に小田原城の北条氏を攻め滅ぼした「小田原攻め」の後、東北諸大名の処分・配置換えなどを行う「奥羽仕置(おううしおき)」を断行した。南部家は小田原攻めまでに豊臣政権下に入ったが、当時の当主・南部信直はさまざまな人脈を駆使し、豊臣政権とのつながりを強めていったという。同展では、南部家と豊臣政権との関わりが分かる古文書16点を展示する。

 担当学芸員の熊谷博史さんは「ドラマのテーマが豊臣と聞いてから何かやろうと考えてきた。もりおか歴史文化館にも豊臣関連の資料があるぞと伝えたいし、南部家と豊臣政権は関係があったことも知ってもらいたい。好きな人ならよだれが出るほどうれしい資料がそろっていると思う。今の盛岡にもつながる貴重なやりとりを見てもらいたい」と話す。

 展示資料のメインは、秀吉の朱印が押された「朱印状」9点。その内1点は岩手県指定有形文化財として常設展示室に展示している。普段はレプリカだが、テーマ展に合わせて実物を出した。同資料は1590年に秀吉から信直に送ったもので、奥羽仕置について秀吉からの具体的な指示が書かれている。

 熊谷さん一押しの朱印状は、1586年に初めて秀吉と南部家が通じ合った時のもの。タカや太刀など信直の贈り物への返礼と共に、「前田利家から内々の話を聞いた」という内容が書かれ、前田利家が南部家と秀吉の間を取り持っていたことが分かる。この朱印状の添え状と考えられる利家の書状も展示している。

 このほか、ユニークな古文書としては、伊達政宗が豊臣大名として「羽柴越前守政宗」の署名で信直に送った書状がある。南部領で起きた一揆について「伊達領まで逃げて来た者があれば、こちらで成敗する」と伝えているが、この一揆が政宗の策謀によるものという形跡もあり、それを弁明するための書状とも考えられている。

 熊谷さんは「戦国の世が終わり、武力ではなく人間関係の構築で生き残る時代の始まりが見えてくると思う。秀吉本人ではなく、その周りから固めていく南部家のやり方、当時の人間関係を築く難しさ、人脈がどれだけ重視されていたのかを読み取ってもらえれば。利家や政宗、石田三成など有名人の名前も出てくるので、それも面白く思ってもらいたい」と話す。

 開館時間は9時~19時(入場受け付けは閉館30分前まで)。観覧料は、一般=450円、高校生=300円、小・中学生=150円(盛岡在住・就学の小・中学生は無料)。第3火曜休館。7月20日まで。

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