暮らす・働く 学ぶ・知る

盛岡藩「覚書」刊行事業が寄付を受けて再開 寄付者へ感謝状贈呈

4月17日に行われた感謝状贈呈式の様子

4月17日に行われた感謝状贈呈式の様子

 盛岡市が取り組んでいる「盛岡藩家老席日記『覚書(おぼえがき)』刊行事業」への寄付に対する感謝状贈呈式が、4月17日に市役所で行われた。

[広告]

 盛岡藩家老席日記「覚書」は、盛岡藩の家老職による藩の政務や出来事などについて記された資料。農林業、漁業、鉱業、年中行事など領内のさまざまな事柄が記録されている。家老による政務日誌「雑書」と共に、江戸時代をほぼ網羅する盛岡藩の藩庁日記であり、県の有形文化財に指定されている。

 市は覚書105冊分を全12巻の書籍として刊行する事業に取り組み、6巻分を刊行してきたが、新たな市総合計画の策定に伴う事業見直しのため、2025年度で事業を一時中断するとしていた。その一方で、岩手や盛岡の歴史を研究する団体などからは事業再開の要望を受けていたという。

 花巻市出身の佐藤忠男さんは、覚書刊行事業の中断について新聞などの報道で知ったという。佐藤さんは盛岡市内の岩手中学校・岩手高校に通い、同校の同窓会「盛岡石桜会」の常任理事を務め、盛岡との縁があった。佐藤さんは「盛岡が困っている。なんとかできないか」と考え、刊行事業再開に向けた支援を通じて市の文化教育事業に貢献しようと、刊行事業完了までに必要とされる費用891万円を市に寄付した。

 今回の寄付について佐藤さんは「自分の生きる哲学に基づいた行動だ」と話し、その哲学の一つに盛岡出身の新渡戸稲造の言葉「自分の力が人の役に立つと思う時は進んでやれ」を挙げた。「自分と盛岡の縁は中学校、高校でのことしかないと思っていたが、父親が盛岡の高校を卒業していたことを知り、父親も世話になった場所ならと寄付を決めた。自分ができることをしなければと思う」とも。

 感謝状贈呈式には、内舘茂盛岡市長をはじめとする市の関係者が出席。寄付への感謝を伝え、内舘市長が感謝状を手渡した。佐藤さんは「まさか市長から直接感謝状を頂けるとは思わなかった。盛岡市の事業見直しのニュースを見て驚いたが、目の前にある改革を進めてほしい」と伝えた。

 覚書刊行事業は本年度から事業を再開。本年度は2巻分の刊行を予定し、それ以降については、出版社などと協議を進めていく予定。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース