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盛岡・肴町の「本箱」が新企画「ブックル」 移動式本棚で商店街から飛び出す

明るいピンク色が目立つ「ブックル」。「本がやって来る」から名付けられた

明るいピンク色が目立つ「ブックル」。「本がやって来る」から名付けられた

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 盛岡市肴町商店街青年部(4S会)が取り組む「肴町ベンチプロジェクト」が5月5日、新企画の移動式本棚「BOOKLU(ブックル)」をお披露目する。

ふたを閉めた「BOOKLU」。本を運ぶ鳥がモチーフのロゴが描かれている。

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 「肴町ベンチプロジェクト」は、商店街アーケード内に人が滞留する空間を作ることを目的に、県産材・市産材を使った木製ベンチを置くプロジェクトとして2017(平成29)年に開始。2019(平成31)年2月からは、寄付によって集まった本を貸し出す「hon・ba・co(ほんばこ)」を設置している。

 新企画のアイデアは、「hon・ba・coを商店外以外の場所に持ち出せないか」という相談を受けたことをきっかけに生まれた。4S会メンバーの佐々木大さんは「『面白くないことはしない』というのが4S会のルール。相談を受けてメンバーみんなが面白そうと感じ、持ち運べる形のhon・ba・coを試しに作ってみようとなった。私たちとしても、hon・ba・coをどこかに持って行けるようになれば商店街以外のイベントなどで需要があるかもしれないと考えている」と話す。

 設計や制作はアーケード内にあるDIYスペース「KITENE」が担当。移動のしやすさを考慮し、hon・ba・coへの寄付で集まった本を入れた小さい棚を台車の上に乗せた移動式本棚にした。棚の側面に跳ね上げ型のふたを取り付け、ふたを開けると屋根のような形になり、本を置くこともできる。停車時には下部にある板を下げて車体を支える仕組みにした。本棚の下に設けた収納部には棚に入り切らない本や本を置くためのスタンド、看板などを入れて持ち歩ける。

 制作を担当した「KITENE」の齋藤健吾さんと弟の伸吾さんは「屋台のような見た目にはしないこと、子どもたちにも楽しんでもらえることを一番に意識した」と話す。子どもたちが落書きを楽しめるよう車体の塗装には塗った後にチョークで書き込めるようになる黒板塗料を使い、屋外でも目立つピンク色を選んだ。健吾さんは「最初は試作のつもりだったが、かなり手の込んだ完成度の高い仕上がりになったので、まずは運用してみようという流れになった」と笑顔を見せる。

 「本がみんなの元へやってくる」という意味を込めて「BOOKLU」と命名。5日にアーケード内で開催する「肴町こどもフェスティバル」で初お披露目する。佐々木さんは「しばらくは商店街の中で使うことになると思うが、BOOKLUは肴町の外に出ていくことがメインの仕事。芝生のある所に行くことを目指して運用を続けていきたい」と話す。

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