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肴町商店街の「本箱」が新たな取り組み 街から地域へ、本を楽しむ輪を広げて

肴町ホームセンター前の「hon・ba・co」にはこの日も寄付の本が。新しい取り組みのお知らせも

肴町ホームセンター前の「hon・ba・co」にはこの日も寄付の本が。新しい取り組みのお知らせも

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 盛岡市肴町商店街アーケード内に設置されている自由に本を貸し出す本箱「hon・ba・co(ほんばこ)」が、保管本の買い取りや寄付などに向けた新たな取り組みを始めた。

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 「hon・ba・co」は2019年2月にスタート。同商店街振興組合青年部(4S会)がアーケード内に人が滞留する空間を作ろうと木製ベンチの設置を進める「肴町ベンチプロジェクト」のメンバーが管理・運営を行っている。木製の本箱をアーケード内2カ所に置くほか、スポーツカフェ「オンリーワンダースタジアム」店内に「hon・ba・co」の分所を開設。利用者が自分の好きな本を自由に借りることができる。本は寄付によって集めている。

 毎日のように本の寄付があり、蔵書が増える一方、保管場所をどうするかが課題となっていた。寄付された本は通常、全ての「hon・ba・co」を不定期で巡回し貸し出しを行う。「hon・ba・co」に入る本の冊数には限りがあるため、3カ所を巡った本や、寄付された本の一部は肴町ホームセンター内のストックヤードで保管。寄付の増加もあり、ストックヤードが限界を迎えている。

 4S会の佐々木大さんは「アーケード内の滞留者を増やすためのアイデアで、利用者がいるかどうか不安な気持ちでスタートした取り組みが広まり、本の寄付が集まることは本当にうれしいことだが、本が保管されたままになっている状況はもったいない。どうにかしなければと考えていた」と話す。

 そこで相談を受けたのが、昨年4S会に加わった古書店「盛高書店」のオーナー・工藤尚さん。同店は「『hon・ba・co』のストック本の一部買い取り」を提案。買い取られた本は同店で販売するほか、同店が依頼を受けていた市内企業などの図書コーナーへ寄付される。「hon・ba・co」ストック本の買い取り金額は全て図書館などの公的な図書行政機関へ寄付する。

 買い取られるのは3カ所の「hon・ba・co」を巡回した後にストックヤードで保管されていた本で、地域の本箱から新たな持ち主の元へと旅立つ。「hon・ba・co」自体の利用方法は変わらず、今後も寄付を受け付ける。「本を寄付する人は『たくさんの人に本を楽しんでほしい』という気持ちを持っていると思う。その気持ちを生かすための新しい取り組みだが、買い取りにという方法を理解してもらえるか心配なところもある」と佐々木さん。6月14日に新しい取り組みについて告知すると大きな混乱や反対の声もなく、これまで通りに本が寄付され続けている。

 佐々木さんは「これからは『hon・ba・co』の第2章。本を通じて生まれた肴町でのコミュニケーションの形が、地域を超えて本の世界を二重、三重に広げてくれる。『hon・ba・co』を旅立った本が新しい持ち主へ届くことがとても楽しみ。これからも地域の皆さんに愛される仕組みで運用を続けたい」と話す。

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