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盛岡の古本店で買い取り本に帯を付ける新企画 新しい持ち主と結ぶきっかけに

「おびむすび」を紹介するチラシと見本本

「おびむすび」を紹介するチラシと見本本

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 古本など中古品の買い取り・販売事業を行う「盛高書店」(盛岡市南大通1)が現在、買い取り本に売った人のメッセージ付きの帯を付ける「おびむすび」を行っている。

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 出張買い取りにも対応している同店。「おびむすび」のアイデアの元は、創業から間もない頃に受けた買い取り依頼だったという。社長の工藤尚さんは「高齢の女性からの依頼で、とにかく本を全部持っていってほしいというものだった。その時に、依頼主が『思い入れがあった本だから多くの人に読んでほしい』と話してくれたことを覚えている」と振り返る。

 その後、工藤さんは「本を売った人の『次の人に読んでもらいたい』という気持ちを結んでいきたい」と思いながら、店舗での販売のほか、催事出店などを続けてきた。

 「店に来る人は『この本が欲しい』と目的を持っている人だけではなく、何か面白そうな本はないかなと探しに立ち寄る人もいる」と工藤さん。本を売りに来る人の中には、本の感想や思い出を話してくれる人も多いという。「古本に売り手の感想や思い出が付いていたら、本を探すときのヒントになるのではないか」と思い付いた。

 「おびむすび」は9月16日に始めた。前の持ち主と新しい持ち主を本の帯で結ぶというアイデアから名付けた。背表紙の部分に「おびむすび」と書かれた専用の帯を用意し、希望する売り手は持ち込んだ本に感想や推薦文、思い出などのメッセージを記入する。1回の買い取りで5枚まで記入でき、帯1枚につき20円で買い取る。

 企画をSNSで紹介したところ、「面白い取り組みだ」と好反応が得られたものの、記入者はまだ現れない。今後は同店の名物企画としての広まりや、専用の棚を作るといった構想もあるという。工藤さんは「本を手放す人と、新しい本との出合いを待つ人を結ぶ手伝いがしたい。おびむすびがあるからここで本を売ろう、本を買おうという人が増えてくれるとうれしい。古本屋だからこそできる楽しいアイデアを広められれば」と話す。

 営業時間は10時~18時(土曜は16時まで)。日曜定休。

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