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「盛岡さんさ踊り」練習用太鼓が登場 市内の2社が協力、消音パッド付き

「来年の本番に向けて活用してもらえれば」と開発に携わる3人

「来年の本番に向けて活用してもらえれば」と開発に携わる3人

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 スポーツジム運営やスポーツ用品の販売などを行う「フェアスポーツもりおかA.T」(盛岡市南仙北2)と「肴町ホームセンター」(肴町)は、「盛岡さんさ踊り」の練習用太鼓を開発した。

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 考案したのは「フェアスポーツもりおかA.T」の代表・高橋晃さん。高橋さんは市商工会議所の職員として働き、裏方として「盛岡さんさ踊り」に関わってきた。その際に、参加者から「個人で太鼓の練習をしたい」という声が届いていたという。

 「盛岡さんさ踊り」の参加者の多くは、企業や学校、市民グループなどによる団体に加わる。団体全体での練習時には太鼓を借りることができるが、自分の太鼓を持っていない参加者は自宅などで個人練習をするのが難しい。本物のさんさ太鼓は価格も高く、製作まで時間がかかる。加えて大きい音が出るため、家ではたたきづらいという意見もあった。

 「練習用太鼓のニーズはあったが、それに応えられるツールがなかった」と高橋さん。同社ではさんさ踊りをモチーフにしたTシャツを販売していたことから、「どうにかニーズに応えられるものを作れないか」と検討を続けた。そこで思い付いたのが消音機能だったという。

 高橋さんは「最初は太鼓に取り付ける消音パッドだけを作ろうかと思ったが、太鼓を持っている人にしか需要がないという声もあり、練習用の太鼓そのものが必要だと考えを切り替えた。練習用から、ゆくゆくは本物のさんさ太鼓を買ってもらいたいという思いもある」と話す。

 開発に当たって、以前から交流があった「肴町ホームセンター」の社長・齋藤健吾さんに相談。同社がDIYスペース「KITENE(きてね)」を運営していること、同じ盛岡の中小企業と手を組みたかったという理由もある。製作を行ったのは「KITENE」のストアマネジャー・齊藤伸吾さん。バチでたたく面には合板を使い、消音用のゴムパッドを取り付けている。面を支える骨組みには県産のスギ材、塗料にも県産のものを使用した。

 「実は木材を丸く切り出すのは難しい作業。どうしようか、思ったより大変かもなと不安はあった」と伸吾さん。「音が出ない構造で良いとのことだったので、デザインや重さをこだわった。消音パッドについても、さんさ太鼓をたたく人からアドバイスをもらって改善している」とも。

 健吾さんは「さんさ太鼓といえば黒の赤の配色。それを生かして、ゴムパッドの黒に合わせて本体は赤い色にしている。実際に太鼓をたたく人から、『縁をたたいた時、正しい位置とそうではない位置で音の違いがあって、本物と似ている』と感想をもらった時はうれしかった」と話す。

 完成した練習用太鼓はさんさ踊りの掛け声「サッコラ」から取って「DIY.Sansa Drum Sacco(略称・DSD)」と名付けた。7月27日からはレンタルでの利用を開始。大人用サイズは33日間で5,500円、子ども用サイズは3,300円で貸し出す。今後はホームセンターでの販売も検討している。

 高橋さんは「『盛岡さんさ踊り』は多くの人から愛されている祭り。愛する人を増やすことで、にぎわいや気持ちの高揚につなげ、本番の祭りに寄与したい。今年は残念ながら中止となったが、来年に向けた練習や、家でさんさを楽しみたいという時、気軽に使って」と呼び掛ける。

 レンタルについての問い合わせは「フェアスポーツもりおかA.T」(TEL 090-4044-8889)まで。

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