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新型コロナ対策に県産材使った「予防板」話題に アフターコロナへの対応も

木枠に県産材を使った飛沫感染予防板「ついったーて」。オーダーメードの注文にも対応する

木枠に県産材を使った飛沫感染予防板「ついったーて」。オーダーメードの注文にも対応する

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 「肴町ホームセンター」2階のDIYスペース「KITENE(きてね)」(盛岡市肴町)が製作する、飛沫(ひまつ)感染予防板「ついったーて」が、新型コロナウイルス感染症対策として話題を呼んでいる。

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 「ついったーて」は、県産木材を使った木枠に透明な塩ビ板をはめ込んだ、ついたて型の「予防板」。レジカウンターなど対面で接客を行うような場所に設置し飛沫感染を予防する。アイデアを提案したのは、八幡町でデジタル機器のセレクトショップ「8bit」を営む小野崎敬さん。全国の自治体や店舗などで、新型コロナウイルスの飛沫感染を防ぐために透明な素材を使った仕切り板を導入しているのを見て、自分の店舗にも必要だと考えていた。

 携帯販売代理店で働いていた経験から「接客時に利用客と自分の間に壁を作ってはいけない」と意識していた小野崎さん。自身の店舗はコンパクトな作りで利用客との距離も自然と近くなる。会話が必要なため予防板の導入はしたいが、各地で導入されているような仕切り板を使うのには抵抗があったという。

 小野崎さんは「アクリル板を使った仕切りや、ビニールを使ったカーテンなどさまざまな対策を見たが、どこか無機質で冷たい印象を持っていた。文字通り、利用客との壁になってしまう。設置するならかっこいいものを、自分が納得するものをと考えていた」と話す。

 そこで、以前より交流がある「肴町ホームセンター」の社長・齋藤健吾さんへ相談。思い描いていたデザインとアイデアを提案した。それを受け、「KITENE」のストアマネジャー・齊藤伸吾さんが試作。木製の枠を使った「ついったーて」が完成した。

 「外出自粛が呼び掛けられる中、DIYスペースである『KITENE』も来店者が減っていた。この状況でアイデアをもらえたのはうれしい」と伸吾さん。「『ホームセンター』でもビニールカーテンを使って対策をしているが、声が通りにくかったり、透明度が低くて見えづらかったりと不安な点もあった。『ついったーて』は塩ビ板で透明度も確保し、木の温かみもある。声も通りやすい。どこにでも置けるので、導入する店舗の皆さんにもお客さんにも喜んでもらえるのものができた」とも。

 基本サイズは幅30センチ・高さ45センチ、幅65センチ・高さ45センチの2種類で、価格は5,038円~。設置場所や作業内容に合わせてオーダーメードで作ることもでき、脚の長さや形の変更にも対応する。オプションで色を塗ることもでき、塗料には矢巾町のシオンが製造する国産自然塗料「U-OIL(ユーオイル)」を使い、塩ビ板を除けば「岩手県産材料」で作ることができる。現在は少しずつ注文も増えてきている。

 新型コロナウイルス感染症の終息後には、看板のように使えるアイデアも提案。用途を変えるためのDIYの相談にも「KITENE」で対応するという。「アフターコロナへの活用法まで見据えた『予防板』は、なかなか珍しい取り組みだと思う」と小野崎さん。「幸いなことに、岩手はまだ感染者が出ていない。今のうちにしっかり対策ができる。店舗がウイルスと戦う武器として、互いに乗り越えるためのアイデアとして活用してもらえれば」と呼び掛ける。

 問い合わせ・注文は電話とメールで受け付ける。電話は「KITENE」(TEL 019-623-6311)まで。メールは「KITENE」と「8bit」両方で受け付ける。

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