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盛岡で民話にまつわるトークイベント 民話採訪者・小野和子さんの本を題材に

店頭に並ぶ「あいたくて ききたくて 旅にでる」

店頭に並ぶ「あいたくて ききたくて 旅にでる」

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 民話採訪者・小野和子さんの旅路を題材にした本「あいたくてききたく旅にでる」の刊行トークイベント「小野和子をとおしてみた世界」が「BOOKNERD(ブックナード)」(盛岡市紺屋町)で2月28日、開催される。

 小野さんは宮城県在住。1969(昭和44)年から、宮城を中心に東北の各地を民話を求めて訪ね歩く「民話採訪」を50年にわたって続けてきた。民話を語る人々の元を訪れ、民話を聞くことを「採集」や「採話」と表現することもあるが、民話とその語り手を切り離せないものと考え、「民話を聞くことは、語る人の元を訪れること」という思いを込めて「採訪」と言っている。

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 「あいたくてききたく旅にでる」は、小野さんの民話採訪にまつわるエピソードと旅日記を軸に、小野さんが集めた民話や手紙、文献などのテキストと共に編んだ一冊。宮城県在住のキュレーター・清水チナツさんが小野さんから、自身が集めた民話をまとめた手製本の冊子を受け取ったことが、本を作るきっかけとなったという。編集・出版は、清水さんと写真家の志賀理江子さん、映像技術者の長崎由幹さんの3人からなる「PUMPQUAKES(パンプクエイクス)」が担当した。

 盛岡のトークイベント会場となる「BOOKNERD」の店主・早坂大輔さんは、本を読んで初めて小野さんのことを知った。「この本を店で取り扱い、自分で読むまでは民話に興味もなく、古臭いものだと感じていた。本に収録されている民話がどれも面白い」と早坂さん。「いろいろな物事を集めて記録する人は多いが、民話は形がない。小野さんが続けてきた民話採訪は、形のないものを集めること。物があふれ消費され続けるこの時代で本として出る必要性を感じた」とも。

 今回のイベントでは、「PUMPQUAKES」の3人をゲストに迎え、制作過程のやり取りを記録した映像を上映し、本の制作秘話を交えながら「現代の生活で切り捨てられてしまうもの」や、「この時代に民話にまつわる本を出す意味」などについて話していく。

 早坂さんは「この時期になると思い出される出来事の一つが、東日本大震災。本が作られた背景には震災もあるのだそう。震災の影響で、たくさんのものが失われたが民話は受け継がれてきた。利便性が優先される時代で、その対極にあるのが、口伝えで残された民話の存在だと思う。その面白さと重み、自分たちが残せるものや残していけるものについて、皆さんと考えていきたい」と呼び掛ける。

 当日は18時30分開場、19時開演。参加費は1,500円(書籍を持参もしくは当日BOOKNERDで購入した場合は500円引き)。参加には事前の申し込みが必要。メールもしくは同店のインスタグラムのダイレクトメッセージで受け付ける。定員は20人。

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