盛岡で「米内光政の手紙」展 没後70年、手紙から生涯をひもとく

ロビーには恩師・冨田小一郎へ宛てた手紙が展示されている

ロビーには恩師・冨田小一郎へ宛てた手紙が展示されている

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 「盛岡てがみ館」(盛岡市中ノ橋通1)で6月19日から、第56回企画展「米内光政の手紙 良識提督の生涯」が開催されている。

年の瀬に友人の荒城二郎へ送った手紙(盛岡市先人記念館蔵)

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 同展は、今年が盛岡生まれの先人・米内光政の没後70年に当たることから企画されたもの。米内は海軍軍人として海軍大臣に就任し、岩手県出身者3人目の内閣総理大臣としても活躍した。今回は米内の生涯と業績にスポットを当て、友人や恩師、家族へ送った手紙や関連資料を展示。岩手ゆかりの人物の手紙などを展示している同館ならではの内容で、反戦主義を貫く「良識の提督」としての側面や少年時代から亡くなるまでの歩みと業績を紹介する。

 同館担当学芸員の佐々木章行さんは「米内に関する手紙はたくさんあるが、手紙だけを展示する機会は少ない。てがみ館でも単独で取り上げたことがなく、ちょうどよいタイミングに恵まれた」と話す。「米内に対して真面目な印象が強いという人も多いが、実は余裕があり、いつでもドンと構えているような人物だった。手紙に込められたユーモアあふれる文章や皮肉、笑いなどから彼の人物像を改めて感じてほしい」とも。

 展示では同館所蔵のものと盛岡市先人記念館所蔵のもの合わせて18点の書簡を展示。軍人であり政治家でもあった米内が任地での生活や日本の行く末を案じる内容をつづったもののほか、娘のことを励ます父としての手紙、友人の身を案じる手紙など、米内が持つさまざまな顔を手紙と共に取り上げる。

 会期中、7月23日には「ふみの日」に合わせて学芸員によるギャラリートークを開催。9月22日には同館館長によるギャラリートークも行われる。

 佐々木さんは「米内光政がどんな人物で、どんな人生を歩んだのか、激動の時代をどう生き抜いたのか。手紙を読むことでリアルに感じてもらえればうれしい。詳しく知らない皆さんにも改めて先人について触れるきっかけにしてほしい」と呼び掛ける。

 開催時間は9時~18時(入館は17時30分まで)。入館料は一般=200円、高校生=100円、中学生以下無料。毎月第2火曜休館。10月15日まで。

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