企画展「岩手県誕生物語~県政150周年記念~」が現在、岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)で開かれている。
岩手県では、1872(明治5)年に「盛岡県」から「岩手県」に改称されて150周年に当たる2022年度から、1876(明治9)年に現在の県域が確定して150周年に当たる2026年度までを「県政150周年期間」と位置付けている。同展は県政150周年期間に合わせ、江戸時代末期から戊辰(ぼしん)戦争、岩手県の誕生、県域確定までの流れを所蔵資料で紹介する。
展示は3章構成。1章は「江戸時代の岩手県域」と題し、現在の県域は盛岡藩、八戸藩、一関藩、仙台藩の4藩が治めていたことを紹介。各藩の領地を描いた「仙台藩領郡分之図」や「盛岡藩領内図」には、現在でも見聞きする地名が書かれている。展示担当者の山本祥子さんは「現代の岩手県民も『県北は南部の文化、県南は伊達の文化』とたまに言い合うことがあると思う。4つに分かれていたことを改めて知ってもらうと、県内でも方言や暮らしの文化が違うことに納得できる」と話す。
2章では戊辰戦争を取り上げ、京都で始まった戦いがどのように東北に波及したのか、東北諸藩による奥羽列藩同盟、戦後の処分により盛岡藩や仙台藩などがどうなっていくのかを紹介する。同章では、敗戦の責任を取って処刑された盛岡藩家老・楢山佐渡が処刑される部屋の間取りや始末書を展示。山本さんは「楢山のことを知っている人もいると思うが、彼がどうなったのかを資料から生々しく感じられる。展示を見た人からも、驚いた資料だという声が届いた」と話す。
3章の「岩手県の誕生」では、戊辰戦争後に新体制を迎えての混乱、藩から県の移り変わり、現在の県域の確定までを取り上げる。1871(明治4)年の廃藩置県後、現在の岩手県域には盛岡県、江刺県、胆沢県、一関県、八戸県、江刺県、斗南県に分かれていたが、大部分が盛岡県と一関県に吸収され、1876年に青森県に属していた二戸郡と、宮城県に属していた気仙郡が編入され、現在の岩手県の範囲が確定している。同章の展示資料の一つ「岩手県管轄地誌」は、岩手県が編さんした地誌で、各地の沿革や地勢、戸数、学校や寺社の数、牛馬の数、道路などの情報が細かくまとめられ、県の有形文化財に指定されている。
貸し出し可能の資料も展示。戊辰戦争を題材にした小説や東北諸藩の歴史をまとめた本などが多く並ぶ。「この時代はファンが多く、じっくり読む人も多い」と山本さん。「展示で紹介しているのは大まかな流れ。気になるところを書籍と合わせて詳しく知ってもらえれば」と呼びかける。
開館時間は9時~20時。7月20日まで。期間中の休館日は5月29日、30日、6月30日。