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盛岡の書店員が厳選「さわベス2016」 23作品出そろう

「今年さわやがお薦めする本で年越ししてみませんか?」と竹内店長

「今年さわやがお薦めする本で年越ししてみませんか?」と竹内店長

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 さわや書店(盛岡市大通2)の店員がその年に読んだお薦め本をランキング形式で紹介する「さわベス」が12月10日、今年も発表になった。

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 今年で12回目を数える同企画。2014年12月から2015年11月30日までに発売された本を対象に、書店員が選定会を開催。売れた、売れないに関わらず純粋に書店員が読んで「面白かったか」を審査基準に、今年お薦めの23作品が出そろった。

 書籍部門1位には、「終わった人」(内館牧子著、講談社)が選ばれた。書店員は「こんなにも壮年男性の心に刺さる小説があっただろうか。野心・虚栄心・下心。すべてを裸にして見通す洞察力に完敗」と評す。

 以下、2位=「タスキメシ」(額賀澪著、小学館)、3位=「SOY!大いなる豆の物語」(瀬川深著、筑摩書房)、4位=「ヨイ豊」(梶よう子著、講談社)、5位=「友川カズキ独白録」(友川カズキ著、白水社)、6位=「生還者」(下村敦史著、講談社)、7位=「羊と鋼の森」(宮下奈都著、文芸春秋)、8位=「あなたの明かりが消えること」(柴崎竜人著、講談社)、9位=「安倍政権を笑い倒す」(佐高信 松元ヒロ著、KADOKAWA)、10位=「MとΣ」(内村薫著、新潮社)。

 盛岡ともゆかりある内館牧子さんの著書が1位になったほか、岩手出身の瀬川深さんの著書が3位にランクインし、書店員が次期直木賞を期待する「ヨイ豊」が4位となった。特別賞では、郷土賞に「綺良のさくら」(今井絵美子著、角川春樹事務所)、新書賞に「下流老人」(藤田孝典著、朝日新聞出版)のほか、さわやフェザン店店長田口さんが今年11月に発刊した著書「まちの本屋 知を編み 血を継ぎ 地を耕す」(田口幹人著、ポプラ社)が「自画自賞」に選ばれた。

 文庫部門1位には「負ける技術」(カレー沢薫著、講談社文庫)が選ばれた。リストラからの派遣切りに遭い、ハローワークに通い、現在は漫画家兼OLとして「自転車操業中」の著者が説く、「敗北からの必笑」のエッセー。

 以下、2位=「その日東京駅五時二十五分発」(西川美和著、新潮文庫)、3位=「釜石の夢」(大友信彦著、講談社文庫)、4位=「史上最強の哲学入門」(飲茶著、河出文庫)、5位=「女子学生、渡辺京二に会いに行く」(渡辺京二 津田塾大学著、文春文庫)、6位=「安井かずみがいた時代」(島崎今日子著、集英社文庫)、7位=「ミラノの太陽、シチリアの月」(内田洋子著、小学館文庫)、8位=「聖の青春」(大崎善生著、角川文庫)、9位=「クランⅠ」(沢村鐵著、中公文庫)、10位=「三陸の海」(津村節子著、講談社文庫)。

 さわや書店本店の竹内敦店長は「これから売りたい本がそろった。文庫部門は見逃していたエッセーやノンフィクションが集まったので掘り出し物があるかもしれない。フェアも開催するので店に立ち寄ってもらえれば」と話す。

 同日から、さわや書店全店で「さわベス」専門コーナーを開設している。

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