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くどうれいんさん5冊目のエッセー集刊行 暮らしの手触りに愛を込めて

「コーヒーにミルクを入れるような愛」表紙

「コーヒーにミルクを入れるような愛」表紙

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 盛岡市在住の作家・くどうれいんさんのエッセー集「コーヒーにミルクを入れるような愛」が4月11日、講談社から刊行された。

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 月刊文芸誌「群像」での連載「日日是(これ)目分量」に掲載した21編と、書き下ろし2編を加えた23編を収録。会社員と作家の両立から作家専業となった2年間の暮らしの中での出来事や思い出、パートナーとのやりとり、友人との交流、人生の転機などをつづる。

 くどうさんのエッセー集は今回で5冊目。デビュー作から「生活の切り売りはしない」というスタンスを持ち続けてきた。「いついかなる時もペンを握って暮らしの全てをエッセーにしようとしているわけではない。最近は作家として作品にしたい暮らしと、生活者として他人に見せてたまるかという暮らしの境界線がかなりはっきりしてきた」とくどうさん。「作家専業になり、生活に集中した上で作家の仕事をしなくてはと意識しているせいか、自然と生活感や暮らしの手触りがにじみ出て、日常に対する愛を感じられる一冊になった」と話す。

 収録作品には、日常の楽しさだけではなく、何かに対する悔しさやいら立ち、悲しみをあらわにしたものもある。その一つに、高校生時代に「全国高校文芸コンクール」で一度も最優秀賞に選ばれなかった悔しさを抱えながら、昨年12月に行われた同コンクール表彰式で講演をすることになったエピソードを書いた「作家みたい」がある。

 くどうさんは「何かを代表して言葉を発することをずっと避けてきたけど、自分と似たような立場の人のためなら、『私も同じだよ』と旗を振れるなと思えてきた。特に、私と同じく高校文芸をしてきた人と、今高校文芸をしている皆さんに、『あなたはそのままでいい。書きたいときに書きたいものを書ければいい。ゴールは作家でなくていい』と伝えたい。高校文芸に携わった人にもこの本が届いてほしい」と話す。

 「これまで自分のことを『作家みたい』だと思い、それを口に出してきた」とくどうさん。「作家みたいと言うのはもうやめよう、私は作家だと思い切りがついた。作家というからには、もっと文章がうまくなりたい。作家はマルチプレーヤー。今は短歌と小説に力を入れている。『こいつ、まだうまくなるんだ』と驚いてもらえるよう、上達し続けたい」と意気込む。

 四六判、208ページ。価格は1,705円。

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