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「紺屋町番屋」がリニューアル 交流・体験施設として地域とつながる

新しい姿になった「紺屋町番屋」。火の見やぐらが再び地域を見守る

新しい姿になった「紺屋町番屋」。火の見やぐらが再び地域を見守る

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 盛岡市の景観重要建造物「紺屋町番屋」が3月21日、交流・体験施設としてリニューアルオープンした。

番屋1階の交流スペース。手前がショップ、奥がカフェ。改修前の石畳が残る

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 「紺屋町番屋」は1891(明治24)年に「盛岡消防よ組番屋」として建築され、1913(大正2)年に「消防組第四部事務所」として改築。かつては消防活動の拠点として活用されていた。2018(平成30)年に景観重要建造物に指定されてからは「南部火消し」の伝統を伝える歴史的な建物として、また地域を見守るシンボルとしても市民や観光客から親しまれている。

 建物の老朽化に伴い、2021年3月から改修工事に着手。古くなった木材の交換や、構造の強化、外壁と屋根の張り替えなどが行われた。建物の外装は淡い灰色の壁に赤い屋根、白い窓枠という改修前の外観に合わせて仕上げ、窓ガラスや建物内の石畳も改修前のものが使われている。

 改修後は、障がい福祉サービス事業の運営などを行う「ほっぷステップ」が市から建物を借りる形で、交流・体験施設として活用。「街角オアシス『紺屋町ばんやカフェ』」をテーマに、歴史的な建物を保存しながら、地域価値の向上や魅力発信、にぎわいの創出に取り組む。

 リニューアルオープンした番屋は、1階部分が交流スペース、2階部分が体験スペースとなる。交流スペースにはショップとカフェ、番屋の歴史に関する展示コーナーを設ける。ショップでは岩手県内の作家による手作り品や、「ほっぷステップ」が運営する障がい者の就労支援事業所「ばったん工房」で製作した織物などを販売する。カフェではサンドイッチやブレンドコーヒーなどを提供。メニューは半年ほどかけて開発したという。

 2階の体験スペースは、土曜・日曜・祝日に織物や手芸、フラワーアレンジメントの体験教室を開催予定。火曜~金曜は障がい者の就労の場として使用する。

 担当者の壽由紀子さんは「地域との関わりを持ちながら、交流の施設として広げていきたい。消防の番屋として、歴史を伝える役目も担っていければ。何度も足を運んで楽しんでもらえる場所を目指していく。大正時代の面影が残る建物の中で、ゆっくり時間を過ごして」と呼びかける。

 営業時間は10時~17時。月曜定休。

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