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子どもたちへの寄付へつながる「オリジナルポマード」発売 絆を結び、未来へ

東北オリジナルポマード「BECK」を手にする大粒耒さん

東北オリジナルポマード「BECK」を手にする大粒耒さん

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 理容室「AVANTI(アバンティ)」(矢巾町)が2月21日、売り上げの一部を東日本大震災で被災した子どもたちへの支援活動に寄付する「東北オリジナルポマード【BECK(ベック)】」の販売を始めた。

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 企画を立ち上げたのは同店の大粒耒(おおつぶらい)昌人さん。企画の背景には、震災により生まれたばかりの子どもを残して亡くなった知人と、その子どもの存在があるという。「震災から10年がたち、知人の子どもも10歳になった。あの日、未曽有の経験をした多くの子どもたちは、周囲の協力を受けながら成長している」と大粒耒さん。「今は新型コロナウイルスの影響を受けて、行動を制限され、思うように学べず、悩んでいる子どもたちや若者がたくさんいると思う。子どもたち、若者たちが夢を抱ける未来づくりのために何かできないかと思った」とも。

 「県内の同業者の絆を深める」というのも企画に込めた思いの一つ。理容店が集まるイベントやセミナーが開催されている一方で、県内の理容店同士のつながりは薄いという。企画を通じて同業者が絆を深めることで、震災やコロナ禍のような出来事が起きたときに互いに声を掛けやすい環境をつくる。商品名の「BECK」は「Barber's Emotional Connection Knot」の頭文字を取ったもので、「私たちが心を共有し絆を結び次へつなげる」というメッセージとした。

 商品は黒缶と白缶の2種類。白缶はノーマルな硬さのポマードで無色、ベルガモットの香りが付いている。黒缶はホールド力が強いタイプで色はブルーブラック、香りは付いていない。パッケージには東北のシルエットが描かれ、東日本大震災の発生日時「2011.3.11.14:46」が記されている。

 販売は「AVANTI」と趣旨に賛同する理容店の店頭のほか、専用のオンラインショップで行う。売り上げの一部を、公益財団法人日本財団内にある、東日本大震災で被災した子どもたちへ学びや自立の機会を20年間提供することを目的に設立された「ハタチ基金」(東京都)へ寄付する。

 セミナーなどを通じて知り合った同業者へ声を掛けたところ、「企画に乗るよ」と好意的に受け入れられ、利用客にも商品の意味を理解し手に取る人が増えているという。大粒耒さんは「もうすぐ震災から11年。若い世代には震災の記憶がないという人も多い。それでも、忘れていない人や思い出すことが嫌な人、区切りを付けられない人もいて、震災がずっと続いている。私たちの企画をきっかけに、事あるごとに気に留めてもらえたら」と話す。

 価格は各2,300円。このうち500円を寄付予定。

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