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盛岡の印刷会社が「ワクチン手帳」発売 予防接種の記録管理に役立てて

「ワクチン手帳」ははがき大で、お薬手帳や母子手帳と同じサイズ

「ワクチン手帳」ははがき大で、お薬手帳や母子手帳と同じサイズ

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 永代印刷(盛岡市北飯岡1)は7月15日、新型コロナウイルスワクチンなどの予防接種の記録を一括管理できる「ワクチン手帳」を発売した。

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 作製のきっかけは、他県の印刷会社が同様のワクチン手帳を作っていたことだという。岩手県内・盛岡市内でも新型コロナウイルスワクチンの接種が進む中、接種を受けた後の「予防接種済み証」の保管について、「どうしたらいいのか」「なくしてしまいそうだ」という声も届いていた。そこで、同社も印刷会社としてワクチン手帳の製作に取り組んだ。

 同社常務の佐々木智さんは「新型コロナウイルスワクチンの接種済み証については、例えば、接種券が入っていた封筒に入れてしまっておこうという人が多いと思う。すると、その封筒をどこにしまおうか、という悩みが出てくる。この先、予防接種の記録をしていくのには手帳の形があっていると感じる」と話す。

 ワクチン手帳の大きさは、縦17.8センチ、横10.5センチではがきと同じくらい。薬の処方記録を付ける「お薬手帳」や「母子手帳」と同じ大きさで、分かりやすく使いやすいようにした。総ページ数は20ページで、新型コロナワクチンの接種の記録は1人だと5年分、家族だと5人分を一括で管理できるほか、インフルエンザやその他予防接種の履歴を書き込めるページも付いている。

 新型コロナワクチンの記録ページには、接種済み証を貼り付けるスペースと、ワクチン接種を受けた当日と翌日の日付、体温、副反応の有無を記入できる欄を用意。その他の予防接種を記録するページには、予防接種を受けた年月日、ワクチンなどの種類、接種を受けた医療機関のほか、これまでの予防接種での副反応履歴やアレルギー歴を書き込める。

 副社長の佐々木秋枝さんは「子どもの頃に受けた予防接種の記録は母子手帳で管理できるが、大人になってから受けた予防接種の記録は自分で管理するしかない。新型コロナウイルスのワクチン接種はこれからも続くかもしれない。接種履歴やその後の体調について記録しておけば情報が把握しやすく、予防接種を受ける自分にとっても、接種する医療従事者にとっても役立つと思う」と話す。

 ワクチン手帳を印刷している紙にも特徴があり、抗ウイルス・抗菌・消臭の性能を持つ。「紙選びからデザイン、印刷、製本までを手掛けられるのは印刷会社ならではの強み」と言う。発売後から反響があり、県外からも問い合わせがある。購入者からは「どう管理したらいいか分からなかったから、よかった」という声も寄せられた。

 佐々木常務は「予防接種はこれからも続くもの。手帳は持ち運びも保管もしやすく、ぱっと開いて見やすい。うまく活用してもらいたい」と呼び掛ける。

 価格は200円。同社で販売するほか、メールでも注文を受け付ける。問い合わせは同社(TEL 019-636-0011)まで

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