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盛岡生まれのメープルシロップ商品化 森林資源を活用、動物園とコラボも

3種類のメープルシロップ。サトウカエデのシロップにはカナダカワウソの「カエデ」のイラストが

3種類のメープルシロップ。サトウカエデのシロップにはカナダカワウソの「カエデ」のイラストが

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 盛岡市内のカエデの木から採取した樹液を使ったメープルシロップ「MORIOKA MAPLE SYRUP」の販売が3月22日に始まった。

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 市内の造園業者「仙北造園」は市内の森林資源を活用しようと2020年度から、市産学官連携研究センター(コラボMIU)と共に、市内のカエデから採取した樹液を活用したメープルシロップの製造について協働研究を進めてきた。

 商品に使う樹液の100%が盛岡産。盛岡市動物公園ZOOMO(ズーモ)園内と都南つどいの森のイタヤカエデとウリハダカエデ、ZOOMOのサトウカエデから採取した。製造は障がい者支援に取り組むNPO法人「フラット寺町」が担当。採取した樹液をこして不純物を取り除き、40分の1の量になるまで煮詰めた。シロップを使う3種類の菓子製品も開発。販売はZOOMOが連携し、シロップは同園内のショップでのみ取り扱う。

 イタヤカエデのシロップには丸みがある甘みがあり、同じく、ウリハダカエデにはコクのある濃い甘さがある。サトウカエデはカナダ産メープルシロップの材料にもなっていて、高い糖度が特長だという。

 仙北造園の佐藤康之さんは「やっと発売することができた」と喜び、「盛岡市の面積の73%は森林が占めている。盛岡の森はまだまだ広くて、私たちが樹液を採取している樹木は森の入り口にしか過ぎない。森の奥にある未利用の資源を使い、もっと商品の数を増やしたい」と意気込む。

 協働研究に関わる岩手大学農学部講師の松木佐和子さんは「樹液は木に穴を1カ所だけ開けて採取するので、木を切らずに資源として使う手段になる。樹液使ったシロップは大人から子どもまで親しんでもらえる。森の資源ついて知り、森に関わるきっかけになれば」と話す。

 樹液の採取量には限りがあり、製造したメープルシロップは3種類合わせて50本程度。中でもZOOMOで採取したサトウカエデのシロップは4本のみで、23日の開園時点で売り切れた。ラベルには同園で飼育されているカナダカワウソの「カエデ」のイラストを描き、売り上げの一部がZOOMOに寄付され、カナダカワウソの飼育環境改善に役立てられる。

 メープルシロップの販売価格はイタヤカエデ・ウリハダカエデ(各200ミリリットル)=5,400円。

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