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盛岡・上米内駅で漆染め製品販売 岩手の木を使い、漆文化広める一助に

金色に近いほどまぶしい黄色が特徴の「黄漆染」の商品

金色に近いほどまぶしい黄色が特徴の「黄漆染」の商品

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 上米内地区でウルシの植樹活動を行っている「次世代漆協会」の情報提供がきっかけとなって立ち上がった漆染めブランド「黄漆染(こうしつぜん)」の商品が4月1日から、JR上米内駅内の漆工房で販売されている。

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 医療関係の機器の開発を行う福岡県の企業「明光メディカル」が、抗菌効果や消臭効果がある素材を探す中、同協会に問い合わせがあった。同協会の細越確太さんは、国産漆の生産量が減っている現状や、漆の採取を終えた木をチップにして草木染めができること、漆染め製品で抗菌性が実証されていることなどを伝えたという。

 同社では「抗菌性があれば医療の役にも立つのではないか」という考えから、福岡県工業技術センターの化学繊維研究所と共に約1年かけて研究。次世代漆協会から取り寄せた岩手のウルシの木を使った木材チップを原料に、チップから黄色色素を抽出し、黄金に近い黄色に染め上がるレシピを開発し、スカーフ、シュシュ、ヘアゴム、ポケットチーフ、靴下などの商品を展開している。

 次世代漆協会が運営する漆工房の物販スペースでは、ポケットチーフ(2,750円)やシュシュ(1,650円)など一部の商品を取り扱う。細越さんは「まず色を見てもらいたい。こんなにはっきりした黄色になることに驚いた。商品を並べるとすぐに、『色がきれいだから欲しい』と手に取る人もいた」と話す。「地域の垣根を飛び越えて、ユニークな取り組みから漆の振興を進めたい」とも。

 明光メディカルの担当者は「岩手から遠く離れた地の企業ではあるが、一人でも多くの人に漆の現状や漆染めについて知ってもらう取り組みを進めたい。漆文化と日本の漆産業が存続できるように活動していく」と意気込む。

 営業時間は9時~18時。

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