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滝沢の企業が「ハンズフリードアオープナー」開発 新型コロナ対策にも

丸ノブ用の「Reknob」。握り部分に腕や手首を引っ掛けてドアを開ける仕組み

丸ノブ用の「Reknob」。握り部分に腕や手首を引っ掛けてドアを開ける仕組み

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 コーヒー豆の販売や製品開発などを手掛ける「nomos(ノモス)」(滝沢市)が、腕を使ってドアの開閉ができるハンズフリードアオープナー「Reknob(リノブ)」を開発した。

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 nomosと岩手県工業技術センター(盛岡市)が共同で開発した同製品。「コロナ禍の中で自分が役立てることを探していた」というnomos代表の内澤啓太さん。開発の経緯については「ベルギーの企業がハンズフリードアオープナーの3Dプリンター用データを無料公開したというニュースを見たのがきっかけ。設計に関する仕事をした経験があり、自分でも開発してみようと決心した。県の工業技術センターとつながりがあり、設備があることも知っていたので、すぐに相談して共同開発をスタートした」と話す。

 ハンズフリードアオープナーはドアノブや扉の取っ手部分に取り付けることで、手首や腕を使ってドアの開閉を可能にするもの。ベルギーの企業が公開したデータを3Dプリンターで出力して実際に使ってみたところ、腕を使う時に無理な姿勢になる点や、スムーズに開閉ができない点など少し使い勝手の悪さを感じたという。そこで内澤さんは誰でも楽に使える「ユニバーサルデザイン」にこだわって設計を行った。

 完成した「Reknob」は、ドアオープナーの握り部分に腕や手首を引っ掛けて、ドアノブを回したり取手を引いたりすることでドアの開閉を行う。握り部分は半円形になっているため、腕や手首を差し込みやすく、手指を使うことがないため握力の低下した高齢者や、手指が不自由な人でもスムーズにドアの開閉ができる。腕の動きに合わせて設計し、体の動かし方や力の入れ方にも無理がないように工夫した。

 開発したのは丸ノブ用と開き戸用の2種類。丸ノブ用は握り部分に上から腕や手首を差し込む動作でドアノブが回る仕組みになっている。開き戸用は、スーパーやコンビニに設置されている冷蔵庫・冷凍庫などの取っ手部分に取り付けることも可能。どちらもねじで固定するため、ドライバーのみで取り付けることができ、特殊な形でない限りさまざまな形状・サイズのドアノブに対応できる。

 不特定多数が触れるドアノブや取っ手への接触を避けてドアを開けられることから、新型コロナウイルス感染症対策としての使用のほか、コロナ禍の終息後もユニバーサルデザインの製品として幅広い活用に期待も込める。内澤さんは「誰にとっても使いやすいこと、ユニバーサルデザインであることを一番にこだわった。商業施設や公共施設、病院、高齢者施設など多くの人が使う場所で活用してもらえればうれしい。感染症対策はもちろんだが、きっとそれ以外でも役立てられるものだと感じている」と呼び掛ける。

 価格は両タイプとも2,200円。nomosのホームページで取り扱う。

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