鍾乳洞を現代アートで表現-写真・映像・音で空間インスタレーション

写真と映像、音を使った奈良桐人さんの作品。鍾乳洞の世界をインスタレーションで表現する

写真と映像、音を使った奈良桐人さんの作品。鍾乳洞の世界をインスタレーションで表現する

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 写真や映像で現代アートを手がける作家・奈良桐人さんのインスタレーション展「ウレイラ」が現在、盛岡市のギャラリー彩園子II(盛岡市上ノ橋町、TEL 019-653-4646)で開催されている。

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 作品は、龍泉洞や安家洞、氷渡洞(いずれも岩泉町)の鍾乳洞を撮影したスチール写真21点と洞窟内の映像(6分間)、環境音をミクスチャーした、3つのメディアによるインスタレーション。

 鍾乳洞内にある石柱や石筍、カーテンと呼ばれるヒダ状の鍾乳石を撮影したモノクロ写真に、不規則に点いたり消えたりするLED(液晶ライト)を照射して浮かび上がらせた。会場の中央手前に設置された「黒色のスクリーン」には、前半は漆黒、後半はスチール写真をムービー化した映像作品を投影。洞内に存在する音を加工した「環境音」で、立体的な空間をつくり上げた。

 奈良さんは「鍾乳洞の中は暗闇が日常の世界。そこにストロボを当てるなどして浮かび上がらせた造形のディテールはこれまでに感じたことのないものだった。不規則な音は(洞窟の中に存在する)『生の揺らぎ』を表現したもの」と話す。「一度はカラー写真で構成したが、直前にそれらをすべて取り払ってすべてモノクロ写真にした」との後日談も。

 奈良さんは、1976年青森県生まれ。現在は滝沢村在住。岩手大学教育学部特設美術科(専攻は彫刻)を卒業後、映像を取り入れた作品に取り組んでいる。これまでに「せんだいアートアニュアル2005」(せんだいメディアテーク、2005年)、「街かど美術館アート@つちざわ」(花巻市土澤商店街、2006年)などで作品を公開している。

 作品名の「ウレイラ」はアイヌ語で、龍泉洞のある「宇霊羅山」に由来する。「日本語でもない、英語でもない、不思議なこの言葉が作品にマッチした」と奈良さん。

 開館時間は10時~19時。観覧無料。3月22日まで。

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