魚のフードマイレージがわかる「魚環境尺」-「魚ログ」発案者が考案

左右にスライドして使う「紙製」の「魚環境尺」

左右にスライドして使う「紙製」の「魚環境尺」

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 水産品のフードマイレージが一目でわかる「魚環境尺(うおかんきょうじゃく)」が話題を集めている。

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 「魚環境尺」は水産品が産地から岩手県盛岡市に届くまでに、どれだけの環境負荷がかかるかを「物差し」にしたもの。尺の上にはフードマイレージの目盛り、下にはまぐろ握り一貫やいか、さんまなど、魚介類の重量が記されている。左右に可動する尺を青い矢印に合わせることで、国内の各都市はもちろん、遠くはチリ、ノルウェーなどからのフードマイレージもひと目でわかる仕組み。

 この「魚環境尺」は紙製で、パソコンから型紙をプリントアウトして、はさみやカッターなどで切り取り、組み立てて使用する。データは岩手県のホームページからダウンロードできる。

 考案者は、岩手県農林水産部水産振興課の鈴木寛人さん。鈴木さんはブログの世界で人気となっている「魚ログ」の企画発案者で、今回「魚環境尺」を考案するにあたり、「フードマイレージと言われても一般にはなかなかわかりにくい。ウェブサイト上で魚介類の種類や産地を打ち込む『デジタル式』も考えたが、アナログの物差しにすることで、実感してもらえると思った」と話している。

 実はこの「魚環境尺」は、同じ県職員が考案した「環境尺」が前身。これをベースに鈴木さんは「思い付いてから2~3日」でエクセルを使って作り上げたという。現在のものは2代目の「新式」で、縦スクロール式の「旧式」から「進化」した。

 「スーパーマーケットなどで売られているパッケージを見ながら、親子でフードマイレージを調べてみてほしい。意外におもちゃ感覚で楽しめるはず」と話す鈴木さん。「産地が近ければ、それだけ環境にも優しいということ。地産地消の意味も実感できる」と話し、今後も魚環境尺の普及に努めていくという。

 フードマイレージは、食料が産地から食卓までに移動した距離のこと。計算方法は「食料の重さ×移動距離」で、単位はトンキロメートルやキログラムキロメートルで表す。二酸化炭素(CO2)の削減など、食料流通からの環境負荷を認識するバロメーターとして、世界的な概念として注目されている。

魚環境尺(岩手県農林水産部)魚ログいわて生協、「エコひつぎ」を生協初導入-CO2大幅削減に(盛岡経済新聞)作家の斎藤純さんが「北の国から自転車宣言」-NPOの講演で(盛岡経済新聞)和具漁港に宮崎県のカツオ船初入港-志摩の国漁協(伊勢志摩経済新聞)

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