企画展「北上川上流域の縄文時代早期土器-幾何学文様の系譜」が現在、盛岡市遺跡の学び館(盛岡市本宮)で開かれている。
盛岡市内と周辺地域では、「縄文時代早期」と呼ばれる縄文時代の中でも古い遺跡が数多く発見され、発掘される土器の数が多く、時期による変化が分かる土器が豊富に出土していることでも知られている。盛岡周辺での縄文時代早期遺跡の調査研究は1955(昭和30)年の岩手大学による日戸遺跡の発掘調査に始まり、考古学研究家の故・武田良夫さんによる調査研究などが行われ、現在まで進められている。
同展では、武田さんが調査・収集した資料と近年の成果を合わせ、北上川上流域に位置する盛岡周辺で出土した縄文時代早期土器の研究成果や、土器の表面に付けられた文様の移り変わりを紹介する。
展示室の入り口付近では「大新町遺跡」で発掘された3つの土器を展示。棒などの道具を使って線を描いた「沈線文土器」や、棒に縄を巻き付けた道具で文様を付けた「撚糸文」と沈線文を組み合わせた土器が並ぶ。これらの土器の文様は特徴によって「大新町a式」「大新町b式」と分類されている。
展示では模様がない無文土器から、模様を彫った棒を押し付けて描く「押型文」、沈線文、貝殻文まで、土器文様の移り変わりを順に紹介。各地で出土した土器や武田さんが市に寄贈した資料の一部を展示する。文様は土器の表面を整える器面調整のために付けられていたとされ、近年、無文土器は文様を付けた後に消してから焼き上げられたと考えられている。無文土器の中にも薄く文様が残っている物が見つかっている。
武田さんの資料としては、盛岡周辺の遺跡から出土した土器や押型文を再現した模型などを展示。展示の最後では縄文土器の文様の種類と文様を付けるための道具を紹介する。11月22日と12月13日には講座に関連した学芸講座も行う。両日とも開催時間は13時30分~15時。料金は資料代として300円。定員は80人。申し込みはウェブサイトの応募フォームと電話で受け付けている。
担当学芸員は「文様自体が変わっているというよりは、文様の付け方や道具が変わっていく側面もある。同じ文様でも、道具や方法が変わるだけで違って見えるのが面白いところ。縄文早期土器は研究者も少なく、まだまだ分からないことが多い。その中で、盛岡周辺で研究を進めていた先駆者がいたことも知ってもらいたい」と話す。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜(祝日の場合は翌平日)、最終火曜、12月29日~1月3日休館。入館料は一般=300円、高校生=200円、小中学生=100円。来年1月24日まで。