
岩手を題材にした漫画作品集シリーズ「コミックいわて」の第14巻「コミックいわて Saccola(サッコラ)」が、3月21日に発売される。
同シリーズは、岩手にゆかりのある漫画家による作品や、岩手を題材にした作品を収録した作品集として2011(平成23)年に第1巻を発売。現在は県のウェブ漫画配信サイト「コミックいわてWEB」で配信した作品を中心に、年1冊のペースで単行本化を続けてきた。
第4巻からは巻数にちなんだ独自のタイトルを付けてきたが、今回は巻数につながりのない「Saccola」とした。県文化振興課の米澤功一さんは「収録作品はほとんどが読み切り作品。14巻全て読まなくても楽しめる。数字を意識したタイトルだと手に取ってもらいにくいのではないかと考え、岩手の漫画集としてこの一冊に興味を持ってもらえるようなタイトルにした」と話す。「Saccola」は「盛岡さんさ踊り」の掛け声「サッコラチョイワヤッセ」から取り、「サッコラ」を「幸呼来」と書くことから、「幸せを届けるコミックになるように」と願いを込めた。
収録作品は、「第14回いわてマンガ大賞」で大賞を受賞した風見緑哉さんとらんぼさんによる「岩手流水物語」をはじめ、岩手出身の吉田戦車さん、そのだつくしさん、田中美菜子さん、さわぐちけいすけさん、藤倉秀さんの作品のほか、「ノラガミ」の作者・あだちとかさん、「GTO」の作者・藤沢とおるさん、「潔く柔く」の作者・いくえみ綾さん、「クッキングパパ」の作者・うえやまとちさんなど県外出身作家による15作品。今回参加する県外出身作家の中には、震災復興企画に関わった人や、岩手に来たことがある人、岩手に興味を持つ人も多いという。
コミック限定のページとして、各作品の最後に作者によるコメント「メッセージ・フォー・いわて」を掲載。巻頭カラーページでは県内の民俗芸能を特集している。ウェブ版で継続していく。米澤さんは「それぞれの作家のファンの皆さんにも読んでもらいたい一冊。同じ題材でも、描き手によって幅広い物語が生まれ、岩手の良さや魅力をさまざまな角度で発見できる。コミックいわてを読んで岩手を訪れてもらうような、漫画とリアルの相乗効果が生まれればうれしい」と話す。
A5判、240ページ。価格は1,000円。県内主要書店やインターネットで販売する。