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「角打ちができるワインショップ」が盛岡に 古い建物生かし、CFで支援募る

歴史ある建物を生かした「ワインショップ・アッカトーネ539」の内装イメージ

歴史ある建物を生かした「ワインショップ・アッカトーネ539」の内装イメージ

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 「ワインバー アッカトーネ」が7月、「ワインショップ・アッカトーネ539」へ業態を変更し移転する。

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 同店の代表・松田宰さんは、盛岡で「ワインバー・アッカトーネ」を27年間営んできた。同店を閉めてワインショップを開くアイデアは、コロナ禍をきっかけに始めたボトルワインの販売だったという。「免許を取得し、1年間ワインの販売を行ってみたら予想以上に需要があった」と松田さん。「ワインバーとしてできることはやり切った。悔いはない。新しい境地に飛び込んでみようという思いもあり、ワインショップを開いてみようと決めた」と話す。

 新しいワインショップの場所として選んだのは、現在は雑貨店「森九商店」として使われている建物の一角。江戸から明治にかけて建てられ、一部は市の景観重要建造物「茣蓙九(ござく)」となっている。ショップとして使用する部分について、松田さんは建物の痛みを気にしていたという。そこで、ショップとして借りることで建物を維持することを所有者に提案。歴史ある建物を守ることに加え、周辺で再開発が進む中で店を開くことで、にぎわい創出など地域貢献につなげる考えもある。

 200年以上前の建物を活用する中で課題となったのが、経年劣化だった。冬の積雪や夏の高温などの影響により、建物は予想以上のダメージがあった。併せて、コロナ禍の影響を受けた建築部材の高騰、半導体不足による電化製品の価格高騰もあり、オープンの目途は立ったもののワインを適切に管理するための設備投資が難しい状況だという。そこで、クラウドファンディングを通じて支援を募ることを決めた。

 支援は一口3,000円からで、金額によって松田さんがセレクトするワインやおつまみ、オリジナルロゴ入りのグラスなどの返礼品を用意する。集まった資金は冷暖房空調設備や業務用ワイン冷蔵庫といった設備増強、建物の保守管理などに使われる。

 松田さんには「盛岡をワイン消費量全国1位にしたい」という目標がある。松田さんは「バーではなく、ショップとしてワインを提供することでもっとワイン好きを増やしたい。そして古い建物は一度壊れれば二度と元に戻らない。自分が守ることで盛岡の役に立てれば」と意気込む。

 クラウドファンディングは7月15日まで。

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