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「南部家のたしなみ」テーマに企画展 オンラインギャラリートークも配信

企画展「南部家のたしなみ ―詠む・描く・書く―」の第1回オンラインギャラリートークより

企画展「南部家のたしなみ ―詠む・描く・書く―」の第1回オンラインギャラリートークより

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 もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で現在、企画展「南部家のたしなみ-詠む・描く・書く-」が開催されている。

実際の展示室の様子

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 江戸時代の盛岡藩の記録に盛岡藩主やその子どもたちが行う稽古日と稽古内容を定めた記述が残ることから企画された同展。記述に「毎月何日にはこの稽古をする」と細かく記されていることを知った担当学芸員の小原祐子さんが「こんなにも学んでいたのか」と驚いたのが企画展のきっかけになった。

 同展では、南部家の人々が稽古に取り組んださまざまな学問や芸事を見直し、詠まれた和歌や漢詩、描かれた絵画、ふるわれた書などの作品資料を通じて、作品の背景や意図、思いを読み解き、江戸時代の南部家の学びと「なぜ学び、何を得ようとしたのか」に迫る。展示は4章構成で、第1章は和歌、2章では歳末や新春に詠まれた詩歌や書画、3章は同じ画題で描かれた絵画、4章では成長の記録を紹介する。

 小原さんは「例えば11代藩主・南部利敬(としたか)が小学生くらいの年齢で書いた書は、一文字一文字しっかり書こうという様子が伝わり、今の小学生の作品と似た雰囲気もある。一方で、成人してから書は書体が凝ったものになっていて博識ぶりと成長が感じられる。彼らが稽古に励んでいた記録は、たくさんの習い事で忙しくしている現代の子どもたちと変わらない。そういった点から展示を見ても面白い」と話す。

 同館では展示内容を学芸員が解説するギャラリートークを行っていたが、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため昨年度から中止している。展示室で解説できない代わりに、昨年秋に動画配信サイト「ユーチューブ」に開設した同館の公式チャンネルを通じて、解説動画を配信する「オンラインギャラリートーク」をスタート。今回の企画展では3本の動画を作成し、各章ごとに展示資料を解説していく。学芸員が話す内容は実際のギャラリートークと変わりないが、じっくり資料を撮影し、資料に関連する藩主の紹介やクイズコーナーを差しこむなど細かい工夫を取り入れている。

 動画配信は今後も継続していく予定。小原さんは「来館者の皆さんの反応を見て話したり、意思疎通ができなかったりと難しい部分は多くまだまだ私たちも慣れていないが、これから撮影方法や話し方も改善していきたい。コロナ禍だけではない活用方法もできると思う。盛岡から離れた場所でも、休館日でも動画では展示を見てもらえるのでぜひ楽しんで」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~19時(入館は18時30分まで)。入場料は一般=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。第3火曜休館。展示は6月20日まで。

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