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都南図書館で「ししゅう高田松原タペストリー展」 図書館ができること続けて

壁一面に並ぶ刺しゅうによる高田松原の景色

壁一面に並ぶ刺しゅうによる高田松原の景色

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 盛岡市都南図書館(盛岡市永井)で現在、「ししゅう高田松原タペストリー展」と「3.11東日本大震災資料展」が行われている。

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 同館では2012(平成24)年3月から、毎年震災資料展を実施。震災の記憶を風化させないため、写真や関連図書の展示を続けている。「ししゅう高田松原タペストリー展」は震災資料展の一環として行われている。

 「ししゅう高田松原タペストリー展」は、「みんなのたからもの ししゅう高田松原プロジェクト」による作品展。同プロジェクトは、東日本大震災による津波で流された陸前高田市の「高田松原」の松を手芸で作ろうという企画で、松の木や松の葉、松ぼっくりなど「松」をテーマに、糸と布で作った手芸作品で表現する。2013(平成25)年に呼び掛けが始まり、2015(平成27)年12月31日の締め切りまでに741枚が集まった。

 プロジェクトの発想は「陸前高田はこんなにきれいな町だったんだよと孫に伝えられるように、いつか刺しゅうしてみたい」という被災者の言葉だったという。岩手県内の仮設住宅や避難先で暮らす被災者や被災地支援に取り組む人のほか、日本全国からも作品が集まり、小学生から高齢者までが参加。これまでも全国で展示を行ってきた。

 同展では縦横20センチの布に松を描いた手芸作品を24枚ずつ1枚のタペストリーにして展示。全31枚のタペストリーが壁一面に並ぶ。参加者の作品のほか、プロジェクトメンバーの一人でフリー刺しゅう作家の天野寛子さんの作品も展示されている。作り手が思い思いに描く「高田松原」を来場者がじっくり眺める姿も見られ、被災地から盛岡へ移り住んだ人やプロジェクトに関わった人が来場することもあるという。

 同館の担当者は「震災について映像で見ること、こういった作品を見ること、本で知ることはそれぞれ違う意味を持つ。忘れられないように図書館としてできることを続けていきたい。刺しゅうで描かれた高田松原の姿を見て、そして本で学んでほしい」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。3月14日まで。

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