見る・遊ぶ

盛岡で「短編」テーマの演劇企画スタート 不向きな特徴逆手に

「おでって短編シアターvol.1」のメインイメージ

「おでって短編シアターvol.1」のメインイメージ

  • 4

  •  

 「プラザおでって」(盛岡市中ノ橋通1)3階・おでってホールで2月15日と16日、「おでって短編シアター vol.1岸田國士(きしだ くにお)短編戯曲公演」が開かれる。

[広告]

 会場となる「おでってホール」は以前、演劇公演にも使われていたがその回数は徐々に減っていき、現在ではほとんど演劇での利用はない。その理由には、演劇に特化した施設ではなく、どちらかといえば不向きな施設であるからだという。

 舞台袖がなく役者が待機できる場所や、上手と下手を往来できる経路もないため、大掛かりな舞台装置の使用は難しく、暗転を使った転換もできない。これを逆手に取り、「ホールならではの特徴・特性」と捉え、できるだけ簡素な演劇ができないかというアイデアが生まれた。

 そこで、転換や舞台装置が必要ない「一幕劇」や「短編」の演劇に着目。少数精鋭で、音響や照明などの現代的な効果も極力減らすことも考え、古典戯曲を取り上げることにたどり着いた。「一幕劇」「古典劇」を演目に掲げたシリーズ化も目指し、「おでって短編シアター」と題した。

 主催する「盛岡観光コンベンション協会」の鐙(あぶみ)浩史さんは「華美な舞台装置がないと役者の表情や、一つ一つのせりふが際立ってくる。何より脚本がより生きてくると思う。戯曲の文学性や、魅力にも触れてもらいたい」と話す。

 今回は、日本の近代演劇の礎を築いた劇作家・岸田國士の戯曲から、1926(大正15)年発表の「恋愛恐怖病」、1928(昭和3)年発表の「新年狂想曲」の2編を上演。盛岡の劇団で活動する若手演劇人が当時の言葉遣いで演じる。

 「演じるメンバーからは『古い戯曲は新鮮に感じる』という声がある。現代と違う時代背景、言葉遣いを若い人が演じるギャップも楽しんで」と鐙さん。「『おでってホール』でも演劇はできる、良い空間であるということを知ってもらい、これからの利用にもつなげたい。皆さんの来場を心待ちにしている」と呼び掛ける。

 15日は18時開演、16日は13時開演と17時開演の2公演。開場は各回の30分前。チケットは一般=前売り1,500円、当日2,000円、学生=1,000円。前売り券は「プラザおでって」2階の情報プラザのほか、もりおか啄木賢治青春館、盛岡市民文化ホール、盛岡劇場、キャラホール、カワトク、Cyg art galleryで取り扱う。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース