「サラリーマン・宮澤賢治」を描いた新書発売-生活者としての賢治に着目

宮澤賢治の新たな一面をかいま見る書

宮澤賢治の新たな一面をかいま見る書

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 「宮澤賢治 あるサラリーマンの生と死」が9月22日、集英社新書から発売された。

 著者は熊谷印刷(盛岡市上田)に編集者として勤める佐藤竜一さん。地元の郷土史などの出版に携わる中、自身も宮澤賢治について研究を重ねてきた。宮澤賢治に関する著書は同書で3冊目。

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 同書は建築材料の専門誌「月刊・建築仕上技術」に2年半にわたって連載した「宮沢賢治と建築」を大幅に加筆・修正し、一冊にまとめたもの。膨大な資料と手紙をもとに、賢治のサラリーマン時代に焦点を当てた研究書と言える内容。比較的裕福な家庭に生まれながらも家業を継がず、持病を煩いながら教師や土壌調査の仕事を経て、砕石会社で技術師やセールスマンとして仕事に打ち込む「新たな賢治の姿」が描かれている。

 「文学者や詩人としての研究はかなり進んでいるが、生活者としての賢治はあまり知られていない。新しい切り口で書いてみたかった」(佐藤さん)という同書では、生涯で原稿料をもらって書いた本はたった1冊だけという、生前作家としては全く無名だったものの、ビジネスマンとしては高い資質を持ち合わせていた賢治の姿をも浮かび上がらせる。

 新書版、176ページ。714円。全国の書店で発売。