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盛岡130年の歴史を振り返る企画展 歴代市長の手紙など展示

4代目・6代目市長北田親氏の手紙も並ぶ大正期の展示

4代目・6代目市長北田親氏の手紙も並ぶ大正期の展示

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 「盛岡てがみ館」(盛岡市中ノ橋通1)で現在、第59回企画展「盛岡今昔物語-市制施行130周年-」が開催されている。

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 1899(明治22)年の市制施行によって盛岡市が誕生してから、今年で130周年を迎えることを記念した同展。「盛岡てがみ館」では、盛岡に縁ある人物の書簡や手紙を中心とした資料を収蔵していることから、盛岡の歴代市長の書簡や写真資料など104点を通じて、盛岡の歴史を時代ごとに振り替える。

 館長の及川政己さんは「これまでは1人の人物にクローズアップして紹介する展示が多かったが、今回は盛岡市全体について取り上げる、これまでとは少し毛色が違った内容になっている。来館する皆さんからも好評でうれしい」と話す。

 展示は明治時代からスタートし、大正、昭和、平成とその時代ごとの出来事を取り上げながら紹介。明治期の資料では、市長選挙に向けて投票を呼び掛けるような内容の書簡も展示されているほか、中津川の氾濫によって起きた水害の様子が分かる絵はがきも並ぶ。4代目・6代目市長に就任した北田親氏は原敬に宛てた手紙の中で、水害の後に市長に就任することを「飛んで火にいる夏の虫のようだ」と書き、万事円満に解決したいと伝えている。

 担当学芸員の佐々木章行さんは「歴代市長がどんな人物かというのを振り返る機会も少ない。市長たちがその時代で何をしたのかに触れることで、自然と盛岡の歴史を振り返ることにもなる。手紙にスポットを当てることで、『てがみ館』らしい展示内容にこだわった」と話す。

 昭和期では当時の大通・菜園の当時を写した写真や、戦後復興の様子が分かる資料を紹介。東北新幹線開業に向けて整備が進む盛岡駅を定点撮影した写真や岩手国体にまつわる資料、今から30年前の市制100周年に関する資料も並ぶ。

 佐々木さんは「昭和期の出来事は、世代によっては懐かしく身近な思い出だが、私のような平成生まれからすると一つの歴史。新しい時代が始まり、博物館で扱われるような記録と記憶に変化してきていると感じる」と話し、「130年の長い歴史のほんの一部ではあるが、若い人も高齢の人も、皆さんが目で見た歴史と合わせて一緒に振り返って」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~18時(入館は17時30分まで)。第2火曜休館。入館料は一般=200円、高校生=100円、中学生以下無料。企画展は10月7日まで。

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