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岩手県立博物館で生老病死がテーマの企画展 側にある話題として捉えて

生老病死にまつわるさまざまな資料が並ぶ

生老病死にまつわるさまざまな資料が並ぶ

 企画展「すこやかであるために-円環する生・老・病・死-」が現在、岩手県立博物館(盛岡市上田)で開かれている。

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 人が生まれてから死ぬまでの過程や、病気と老いについて、岩手に生まれて亡くなった先人たちがどのように対峙(たいじ)してきたのかを歴史や伝承、習俗などの側面から取り上げる同展。担当学芸員の川向富貴子さんは「仏教では生老病死を『四苦』といい、人間の根本的な苦しみと説いている。生まれて老いて死ぬことは人間の歴史を語る上で外せないテーマ。博物館にはこのような資料もあるんだというのを見てもらえれば」と話す。

 展示は4章構成。最初はプロローグとして、東洋医学や西洋医学の視点から日本人が持っていた身体観を解説。日本に現存する最古の医学書で国宝の「医心方」や、日本初の西洋医学書の翻訳「解体新書」のほか、人体解剖やワクチン、聴診器など医学の発展に貢献した物事に関する資料が並ぶ。

 1章「生まれるとき」では、出産に関する習俗を取り上げる。岩手県内の安産、子授け、子育てにまつわる神仏や、出産時の姿勢をかたどったとされる「屈折土偶」、医療者が少ない地域で活動していた無資格産婆「コナサセ」の道具のほか、出産や子育ての苦悩を表す資料として、間引きや口減らしに関する資料も展示する。

 2章は「老いるとき」、3章は「病めるとき」と題し、老いや病気について取り上げる。老いて変化する様子を描いた「老人六歌仙図」や、長寿の象徴とされた「人魚」についての資料、病気の原因をつき物や呪い、たたりと捉えていた時代の絵図、さまざまな症状に対応した神仏の伝承についての資料が並ぶ。薬に関する資料として、カッパが作り方を伝えたとされる秘伝薬「横田膏(よこたこう)」の製造道具を展示。同資料は陸前高田市博物館が所蔵するもので、東日本大震災の津波で被災し、修復が行われ、20年ぶりに県立博物館での展示が実現した。

 4章「亡くなるとき」は、県内各地の葬式や盆行事にまつわる多様な習俗、故人の姿をかたどった人形や絵馬などを紹介。同章の関連資料として、常設展示エリアで女性が亡くなった後の9つの状態を描いた永泉寺所蔵の盛岡市指定文化財「九相図」を8月2日まで公開する。

 展示の関連イベントとして、講演会や県内で活動する助産師が集まる「SANBAルーム」なども開催予定。川向さんは「生まれて死ぬこと、病や老いは難しいテーマではあるが、暮らしのすぐそばにあって、誰もが経験する身近なこと。岩手は広く、さまざまな習俗があること、先人たちの心情が現代にもつながっていることを見てもらいたい」と話す。

 開館時間は9時30分~16時30分(入館は16時まで)。月曜休館(祝日の場合は翌平日、8月3日、10日は無休)。入館料は一般=360円、学生=170円、高校生以下無料。8月16日まで。期間中、一部展示替えを行う。

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