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盛岡の書店員が絶版本をネット販売禁止で復刊-著者トークショーも

さわや書店フェザン店では「ぐろぐろ」を手書きポップでPR

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 さわや書店フェザン店(盛岡市盛岡駅)の店員松本大介さんが「ぐろぐろ」(筑摩書房)を復刊し、3月29日にフキデチョウ文庫(盛岡市中ノ橋通1)で著者・松沢呉一さんのトークショーを開催した。

トークショーで話す「ぐろぐろ」著者の松沢呉一さん(右)

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 同書は1998年に初版された、現代のタブーに切り込むエッセー集。松本さんが同書を追加発注した時、ほぼ絶版状態にあることを知り「こんなに面白い本はない。重版してもらおう」と、増刷分1000冊全てを同書店で販売するつもりで重版を出版社に持ちかけた。

 重版する際に、インターネット上で販売しないという約束を出版社と交わし、書店としての意地を懸けた。重版が決まった後、全国数社の書店も仕入れを希望したことから、同店では700冊を入荷。地方書店としては異例の決断だったが、2013年12月に増刷分の販売を店頭で始め、約2カ月で500冊を売り切った。松本さんは「すごい売れ行きで、皆さんが求めていたんだなと実感した。今、日本で在庫があるのはうちだけ。これをモデルケースに次もやっていきたい」と話す。

 著者の松沢さんは「松本さんが願わなければ絶版になっていた。本屋としてはまれなケース。街の書店がどんどんつぶれていく中で、本屋がどういう戦いをするか。『さわや』だからできたこと」とトークショーの中で話した。

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