
介護現場の生産性向上に関するガイドラインの作成など、2017年から国の施策づくりに関わり、介護分野の変革をリードしてきた株式会社TRAPE(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:鎌田大啓)は、ウェルビーイングにあふれた介護事業所の実現を目指しています。
同社は、現場の業務改善やDXに不可欠な「チームづくり」や「課題の見える化・分析」を支援する無料のオンラインツール「生産性向上くん(R)」の提供と、「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」を同時に実現する伴走支援サービス「Sociwell(ソシウェル)」を展開しています。
このたび、岩手県令和7年度「ケアプランデータ連携による活用促進モデル地域づくり事業」において、社会福祉法人奥州いさわ会(同法人が岩手県より受託)と業務アドバイザー業務委託契約を締結しました。モデル地域である奥州市を中心に、岩手県内におけるケアプランデータ連携システムの導入促進と、各事業所における導入から運用定着までを一体的に支援する伴走型のモデル事業を実施しました。
現在、介護現場における事業所間の書類のやり取りは、手渡しや郵送といったアナログな手法が一般的です。こうした事務作業は、介護職員が本来注力すべき「利用者への直接的なケア」の時間を奪う「間接業務」となっており、現場の大きな負担となっています。
この課題を解決し、オンライン上で書類授受を完結させる仕組みとして考案されたのが「ケアプランデータ連携システム」です。
国は全国の自治体におけるシステム導入率30%という目標を掲げていますが、令和7年10月時点では10%未満にとどまっていました。
その後、普及に向けた取り組みが進み、令和8年3月時点では導入率は28.2%まで向上していますが、依然としてさらなる普及促進が求められています。
さらに、現在国が進めている介護・医療・行政の情報を一元化する仕組みである「介護情報基盤」においても、本システムは重要な役割を担います。ケアプランのデータをこの基盤に蓄積・活用するためには、各事業所によるシステムの導入が前提となります。
つまり、ケアプランデータ連携システムは、単なる業務効率化のツールにとどまらず、今後の介護保険制度を支えるデジタルインフラの一部として、すべての事業所にとって導入が不可欠な存在であると言えます。

上述した全国的な背景を受け、岩手県においてもケアプランデータ連携システムの普及を加速させるべく、奥州市をモデル地域とした実証事業が展開されました。
本事業は、同市に拠点を置く社会福祉法人奥州いさわ会様が岩手県より受託し、胆沢地域包括支援センターをモデル事業所として、システムの実践的な活用による効果検証を行うとともに、奥州市を中心とした県内事業所への導入促進に向けた普及・啓発活動を実施しました。
【本事業におけるTRAPEの役割】
・事業説明会および導入・活用手順に関する研修会の実施
・導入・活用に関する相談窓口の設置
・モデル事業所におけるシステム活用の効果検証および成果報告
・普及・啓発に向けた広報素材の作成
モデル市である奥州市におけるシステム導入率の変化
事業開始時(11月)の導入率 :19.8%
事業終了時(2月)の導入率 :32.1%
3ヶ月という短期間の中で、国が目指している
導入率30%を超えることができました
ケアプランデータ連携システムの活用による効果
- 提供表の交付および受領に要する時間は
合計685分削減した(約35.3%短縮)
-
全職員が仕事にやりがいや誇りを感じるようになった
モデル事業所からの声
- CSVデータを取り込むだけで完了するので実績の確認や入力がとても楽になった
- 今まで当たり前のように数十分かけて移動し、書類を手渡しやポスト投函していたことが負担だったのだということに気がついた。書類のやり取りが全てオンラインで完結するので、
お互いの事業所が楽になるのがこのシステムのいいところだと感じた
ケアプランデータ連携システムの普及を、地域全体が一丸となって利用者に向き合うための基盤づくりと位置づけた
本事業の開始からわずか3カ月という短期間で、奥州市内のシステム導入率は10%以上向上し、国が目標とする30%を突破しました。この飛躍的な伸びは、単なる行政的な呼びかけによって実現したものではありません。背景には、「準備」と「地域での関係性づくり」という二つの設計があります。
まず「準備」です。ケアプランデータ連携システムをまだ知らない方々に向けて、TRAPEが講師となりセミナーを実施したほか、独自に作成したチラシの配布などを通じて、「まず知ってもらう」ことを徹底的に追求しました。
次に「地域での関係性づくり」です。ロジカルに仲間を増やしていく働きかけに加え、モデル事業所である「奥州いさわ会」様が、地域の各事業所に対して地道かつ熱心に声をかけ続けました。
こうした取り組みの積み重ねによって、今回の成果が生まれています。
ケアプランデータ連携システムは、事業所間の書類授受をオンライン化し、事務作業を効率化することで、利用者に提供するケアの質を高めるためのツールです。しかし、このシステムは単独の事業所だけでは成立せず、連携する双方が活用して初めてその真価を発揮します。
今回の取り組みを通じて明らかになったのは、システム普及には、率先して導入・活用に取り組む事業所を支援するとともに、その事業所が地域の関係性の中で仲間に語りかけ、働きかけていくことが不可欠であるという点です。これは、「導入率は向上したものの活用が進まない」という課題に対する有効な打ち手でもあります。なぜなら、地域の仲間同士のつながりがあるからこそ、その後の継続的な活用へと意識が向いていくためです。

社会福祉法人奥州いさわ会 やまゆり荘
施設長 小原 守様
当法人がケアプランデータ連携システム(以下、「ケアプー」といいます。)を法人全体で使い始めたのはたった1年前の事です。システムを使い始めたばかりの私たちが、ケアプーを地域全体で活用する取り組みに携わるとは夢にも思っていませんでした。
ケアプーはその特性上、一つの事業所が導入しただけでは得られる業務改善効果は極めて限定的で、当法人でも導入当初から他の事業所に声をかけて広めていく必要性については認識していましたが、一声かけるだけの働きかけではそう簡単に環境は変わりません。
そんな時、岩手県が「ケアプランデータ連携システム活用促進モデル地域づくり事業」の取組事業者を募集していることを知り、果たして自分たちの声に耳を傾けてくださる事業所さんがどのくらいあるだろうか…、と不安に思いながらも、様々なご縁に背中を押され、手をこまねいていては環境は変わらないと決意し事業に応募いたしました。
特に、全国的にケアプランデータ連携システム活用促進モデル地域づくり事業の伴走支援実績がある(株)TRAPE様に支援を依頼し、快くお引き受けいただいたことがチャレンジを決断するうえでの大きな支えとなりました。
事業では、事業説明会(1回)、実践研修会(計4回)を中核的な取り組みとして実施し、(株)TRAPE様には導入が格段にスムーズになるマニュアルの提供、困った時のサポート窓口の開設など、手厚いサポート体制を構築していただきました。このほか、関係事業所の方が窓口にいらした際に声をかけたり、電話をかけて導入をお薦めしたり、メール配信によりケアプー関係の情報発信を継続するなど、地道に、泥臭く、1事業所でも多くケアプーを導入してもらえるよう取り組みを継続しました。
このような取り組みを続けていると「導入を進めているけどここがわからない」といったご連絡や、「実際に使用しているところを見学したい」など、皆さんの関心がどんどん増していっていることを感じられるようになりました。ついには「自分たちの地域でも独自にケアプー研修を開催してみたい」と、地域が主体となったケアプー研修会に関わらせていただくなど、ケアプーの輪がどんどん広がっていく光景を目の当たりにしました。
先に記載したとおり、ケアプーは一つの事業所が導入しただけでは効果が限定的なシステムです。ケアプーの活用促進に取り組むことは、単に業務改善というだけではなく、法人の枠を超えて地域の介護事業所同士で、つながりあい、協働することで、自分たちの地域の介護事業の環境を、自分たちの力で改善していく取り組みであり、介護事業の継続性を高める取り組みです。すなわちこの取り組みは、地域で暮らす人たちの生活を守るための取組であり、「地域づくり」そのものだと感じるようになりました。
今回の事業はたった3か月間というとても短い期間でしたが、岩手県内のケアプー導入事業者数は、取組前の255事業所から倍以上増加し、517事業所(262事業所増)となりました。
モデル事業所の胆沢地域包括支援センターにおいては月間約11時間の業務時間削減が実現するなど、ケアプーの輪が広がったことで大きな業務改善効果も得られました。

岩手県保健福祉部
長寿社会課総括課長
小野寺 学
まずは、本事業の実施に当たり、法人を挙げてご尽力いただいた社会福祉法人奥州いさわ会様、また強力なサポートをいただいた株式会社TRAPE様に御礼申し上げます。
岩手県では、ケアプランデータ連携システムの活用を促進するため、令和7年度に初めて本事業を実施し、キックオフとなった説明会には、モデル地域の奥州市のみならず、県内各地から多くの事業所にご参加いただき、関心の高さを感じました。説明会では、「みんなで使えば、みんながラクになる」「仲間を増やしていきましょう」という呼びかけの下、参加者全員で写真撮影をして事業がスタートし、事業期間中、時には地域外からの要請にも対応して多くの研修会を開催いただいたほか、導入の参考となる情報が一元化された特設ホームページでの情報提供、県内各地からの個別の問い合わせへのフォローアップ、そして、熱意を持った地道な声掛けなど、精力的に活動いただきました。
この結果、令和7年11月時点で255事業所だった県内の導入事業所数は、令和8年3月時点で517事業所と、わずか3カ月で倍増するなど大きな成果を挙げることができました。
システムの普及に向けては、未だに地域偏在が生じているなど課題もありますが、奥州いさわ会様、TRAPE様のお力添えにより醸成された機運を一層高め、県内に広く波及・浸透させていくことができるよう、引き続き取組を推進して参ります。
<株式会社TRAPE(トラピ)の生産性向上における取組み概要>
株式会社TRAPEは、2017年の介護業界において生産性向上という言葉が用いられた黎明期から、以下の活動を行ってきました。
- 厚生労働省の事業所向け「生産性向上ガイドライン」および自治体向け「生産性向上ガイドライン」の作成・改編に深く関与
- 全国の介護生産性向上総合相談センター(ワンストップ窓口)が活用する「設置・運営に係る手引き」の改編にも参画 2020年~2025年にわたり、厚生労働省主催の介護事業所向け生産性向上全国セミナーにて講演を担当
- 全国で伴走支援を行う企業向け研修の講師を2年連続で担当 生産性向上に関する研修・ワークショップ・伴走支援を通じて、13,000を超える介護事業所の経営者・ミドルリーダーと対話を重ねる
- - 施設サービスから在宅サービスまで幅広い介護事業所に対して伴走支援を実施
- 生産性向上、働きがいの向上、自律的な人材育成の3つを同時に実現する支援を展開
- 介護ロボット相談窓口(厚労省プラットフォーム事業)における業務アドバイザーとして活動
- - 2022年:全国17窓口中6窓口を担当
- - 2023年:全国16窓口中6窓口を担当
- - 2024年度:全国11窓口中7窓口を担当
- 2023年以降、全国の都道府県におけるワンストップ窓口と業務締結し、先進的な取り組みの設計・支援を実施
- 介護助手や協働化事業のモデル地域づくり事業を全国で実施
- 「ケアプランデータ連携システム」の普及に向けた地域モデル事業の構築支援を、全国の都道府県・市町村に対して実施
■地方公共団体による『ケアプランデータ連携システム』活用セミナー
【2023年12月6日(水)開催】
(モデレーター:株式会社TRAPE 鎌田大啓)
https://youtu.be/HSjxEQKTxyI?si=0LNQJ5sb99oigAkT
■全国自治体向け『地域が取り組むケアプランデータ連携のいま』オンラインウェビナー
【2024年12月4日(水)開催】
第2部:TRAPE の鎌田氏と聞く!新たな普及施策と事業者の声
https://youtu.be/bMWKwkF5SFY?si=zm4w7UIw-5cLKc4R
■ケアプランデータ連携システム フリーパスキャンペーンオンライン説明会
【2025年3月14日(金)開催】
利用者の立場から考えるケアプランデータ連携システムへの期待
https://youtu.be/D-oOSOJcePM
■地方公共団体及び国民健康保険団体連合会様向けオンラインセミナー
【2026年1月14日(水)開催】
(モデレーター:株式会社TRAPE 鎌田大啓)
https://www.youtube.com/live/IaM6JXWRWxo?si=Nl3s_JJMaGvV7MTH
【
株式会社TRAPE(トラピ)について】
代表:鎌田大啓
本社:大阪市淀川区西中島5-11-9 新大阪中里ビル3F
URL:
https://trape.jp/
設立:2015年9月
事業内容:
「生産性向上くん(R)?」
介護現場の生産性向上は、いきなりICTや業務改善ではうまくいかず、チームで課題を共有し目線を揃える“準備”が鍵となる中、「生産性向上くん(R)」はその“準備8割”を現場で実行できる、委員会運営から課題の見える化・分析までを一体で支援する完全無料のオンラインツールです
「Sociwell ソシウェル」
介護職員の働きやすい職場環境づくりを実現し、内閣総理大臣表彰受賞施設を生み出してきた実績を持つ、フルオンラインで「生産性向上」「働きがい向上」「リーダー育成」を同時に実現する伴走支援サービスです。
「介護経営者クラブ」
介護経営者クラブは、TRAPEの伴走支援を通じて生産性向上を実践してきた事業所が集い、組織の枠を超えて経営者同士が対話を重ねながら実践知を共有し合うとともに、外部の方々も参加できる会員制コミュニティです。
「厚生労働省・自治体関連事業」
人手不足や社会環境の変化に直面する中で、各種モデル事業の立ち上げ(0→1)から既存施策の発展(1→10)までを一気通貫で支援し、地域に新たな価値を生み出し続ける、高齢者支援セクションにとっての信頼できる実行パートナーです。
株式会社TRAPE 広報担当 宛
E-mail:info@trape.jp
https://trape.jp/contac