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月ヶ丘に「とんかつ&コーヒースタンドSUEKI」 兄弟で生活に寄り添う店目指す

看板商品の「ベジカツサンド」。豚カツとふんだんな野菜をサンドした野菜が主役のカツサンド

看板商品の「ベジカツサンド」。豚カツとふんだんな野菜をサンドした野菜が主役のカツサンド

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 テークアウト専門店「とんかつ&コーヒースタンドSUEKI(すえき)」(盛岡市月が丘1)が11月30日、開店した。

店舗は木の雰囲気を生かしたデザイン

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 同店を経営するのは東嶋勇起さんと直幸さんの兄弟。兄・勇起さんは市内の老舗豚カツ店「むら八」で、弟・直幸さんは京都の喫茶店などでそれぞれ経験を積み、互いの得意分野を生かして店を立ち上げた。

 新型コロナ禍の中で自分たちの店を持つに当たり、店内で飲食するレストランの経営は難しいのではないかと考えていたという。そこで、中小企業や小規模事業の経営相談を受ける「岩手県よろず支援拠点」に相談し、店のアイデアを探り、提案されたのがテークアウト専門店だった。

 勇起さんは「他の飲食店もテークアウトを始めて、定着してきている。私たちはコロナ禍を前提にしたスタートなので、テークアウト専門にすることで他の店と差が付けられるかなと思った」と話す。

 看板商品は兄弟で共同開発した「ベジカツサンド」(1個550円)と「ベジタブルサンド」(同400円)。メニュー開発をするために2人で食べ歩きをしていたところ、パンと野菜の組み合わせの人気の高さに気付いたという。「もっと野菜がたっぷり入ったカツサンドがあってもいいのでは」という勇起さんの考えから、豚カツと県産野菜を挟んだ「ベジカツサンド」が生まれた。

 「ベジタブルサンド」は、サンドイッチの試作を行う際、野菜だけをサンドして試食をしたところ、評判が良くメニューの一つとして取り入れた。サンドする野菜は季節ごとに少しずつ変えている。直幸さんは「実は先に完成したのはベジタブルサンドの方。ベジタブルサンドの野菜の組み合わせや食感、彩りはベジカツサンドにも生かしている」と話す。

 直幸さんがいれるコーヒーは、茶こしを使って抽出するドリップコーヒー。茶こしを使うことで、コーヒー豆が持つ脂質「コーヒーオイル」を逃さず、とろみがある口当たりになるという。さまざまな抽出方法を試す中で、茶こしを使う方法を気に入った直幸さんだったが、一般的な抽出方法ではなかったため情報が少なく、お湯の温度や豆のひき方などを一から研究した。コーヒー豆は宮古市の自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「さとうコーヒー豆直売」の豆を使っている。

 「ベジカツサンド」と「ベジタブルサンド」のほか、「SUEKIとんかつ弁当」(1,000円)や「チキンカツ弁当」(780円)など数種類の弁当も提供。コーヒーはオリジナルの「SUEKIブレンド」(350円)を含め、5つのメニューを用意する。開店前からSNSを通じて情報発信を続け、開店初日は予想以上の反響があった。現在は周辺地域の人が来店することも増えてきた。

 店名にもなっている「SUEKI」は祖父の名前から取り、店の場所も祖父の家と同じ月が丘を選んだ。祖父への恩返しの思いを込めるとともに、生活に寄り添うような店を目指す。今後はイベント出店や委託販売も視野に入れ、レストランの開業を目標に掲げる。

 勇起さんは「皆さんに新感覚の食文化を届けるという思いからはぶれないように続けていきたい。コーヒーもサンドもここでしか味わえない商品。食べてもらいたい」、直幸さんは「テークアウト専門なので気軽に立ち寄ってもらえる店として、皆さんの生活の一部に組み込んでもらえたら」と呼び掛ける。

 営業時間は7時~18時。日曜・月曜定休。

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