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肴町で「盛岡川柳大会」の展示スタート 個性あふれる80作品並ぶ

優秀作に選ばれた一句「七夕の 飾りに跳びつく こどもたち」

優秀作に選ばれた一句「七夕の 飾りに跳びつく こどもたち」

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 盛岡市肴町商店街アーケード内で現在、「盛岡川柳大会」の作品展示が行われている。

岩手大学書道研究室の学生によるパフォーマンスの様子

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 「盛岡川柳大会」は、岩手大学の学生らが地域社会の抱えるさまざまな課題の解決に向けて活動する「地域課題解決プログラム」の一環として実施。肴町商店街では2019年度からこのプログラムを活用し、同大学人文社会学部の担当教員や学生らと共にデザインの力を使った商店街の活性化に取り組んでいる。

 3回目の連携となる今年度は「目線を上げること」と「目線を上げた先に何か笑えるものを」という2点に着目。くすっと笑えたり、温かい気持ちになったりするような川柳を掲示し、それを見ながら歩いてもらうことで、気持ちを上向きにしていこうという狙いで企画した。

 募集した川柳のテーマは「我が愛(いと)しの岩手・盛岡・肴町」で、応募総数は172作品。実行委員会が入選作80作品を選定し、さらにその中から優秀作品5作品を決定した。優秀作品は「七夕の 飾りに跳びつく こどもたち」(作者=なぁさん)、「この ベンチ 昔は たにん 今 わたし」(よっこいしょさん)、「車いす 安心でゆく アーケード」(森田すずさん)、「エコバッグから はみ出る魅力 肴町」(伊藤しづ子さん)、「濁す時 便利な方言 『いや、まずさ』」(にしなり かんたさん)」。

 入選作は岩手大学書道研究室の学生らが清書し、データ化。木の板にレーザーで焼き付け、商店街アーケード内の柱に展示した。集まった川柳は「盛岡」や「肴町」「中津川」といったテーマらしいフレーズが入るもののほか、肴町商店街での思い出が題材のもの、故郷である岩手への気持ちを表現したもの、「アーケード」など肴町らしい単語を駄じゃれに使ったものなど。学生らはそれぞれの川柳の内容や雰囲気に合わせて文字の形やレイアウトをデザインし、一点一点ユニークな作品に仕上げた。

 展示は10月15日に始まり、16日にはアーケード内でオープニングセレモニーも実施。書道研究室の学生5人が書道パフォーマンスを披露し、入選作品から5作品を120×90センチの大きな紙に清書した。この作品も期間中はアーケード内に展示している。

 オープニングセレモニー当日の天気は雨。肴町での「地域課題解決プログラム」を担当する岩手大学人文社会学部の田中隆充教授はセレモニーの中で、商店街にアーケードの屋根があることから「雨降って さらに賑わう 肴町」という川柳を披露。「レーザーへの焼き付けは1枚30分で、それが80枚分となると途方もない時間がかかる。デザインを担当した学生はもちろんだが、焼き付けを担当した学生は大変だったと思う。改めて作品を見てみると、肴町商店街の雰囲気にマッチしていて、ずっと飾っていてもよいような仕上がり。作品をまじまじ見ながら、新たな肴町の魅力を見つけてもらいたい」と話した。

 盛岡川柳大会実行委員会委員長の内山宏太郎さんは「コロナ禍で下を向きがちだが、上を向いて川柳を見てにやっと笑って明るい気持ちになってもらえたら」と呼び掛けた。

 展示は11月14日まで。

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