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盛岡で「ホームスパンの祭典」3回目開催へ ホームスパンの長い歴史に触れて

以前の「Meets the Homespun」の様子

以前の「Meets the Homespun」の様子

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 岩手県内のホームスパン工房・作家による展示販売や、ホームスパンに関する展示などを行うイベント「Meets the Homespun 2021」が10月30日・31日、「岩手銀行赤レンガ館」(盛岡市中ノ橋通1)で開催される。

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 「Meets the Homespun」は、盛岡を拠点に活動するホームスパン工房・作家らの合同展示会として2017(平成29)年に始まり、2019年には県内の伝統工芸を紹介する「赤レンガ伝統工芸館」の一環として開催し、3回目を数える。今回は岩手におけるホームスパンの継承と若手の作り手育成、産地振興などに取り組む団体「いわてホームスパンユニオン」の発足を記念した企画でもあり、前回までは「盛岡ホームスパンの祭典」と位置付けていたが、今回から盛岡だけではなく岩手全体へ地域を広げた「ホームスパンの祭典」としている。

 主催する「いわてホームスパンユニオン」の木村敦子さんは「定期的にイベントを行ってきたことで、少しずつホームスパンが広まってきたように感じている。これまでは工房や作家ごとに行っていた展示会を線でつないで一つにすることで、それぞれの個性も感じられて、手に取りやすい雰囲気をつくることができたと思う」と話す。

 「いわてホームスパンユニオン」は10月8日に設立。盛岡や花巻の作り手を中心に21の事業者・団体が加わる。今回のイベントでは花巻市の「日本ホームスパン」協力の下、岩手のホームスパンの歴史や成り立ちに関する展示や、花巻のホームスパンの紹介も行う。そのほか、17組の出展工房・作家によるホームスパン製品や手織り製品、羊毛小物などの展示販売、県産羊毛「i-wool」を使ったネクタイやブランケットなどの販売と新開発製品の紹介、素材や道具の販売が行われる。当日販売する製品は約500点で、マフラーは約150点が並ぶ予定。

 「いわてホームスパンユニオン」ではホームスパンの普及や後継育成、産地の発信などを目指し、首都圏への出展や作品展、勉強会などを通じて作家や工房の個々の活動を支え、技術の継承に取り組む。国の伝統的工芸品への指定も目標の一つとし、県内でホームスパンが100年以上続くものであることの証拠も集めているという。現在は大正期から続くことが記された新聞記事と継承者の証言しかなく、明確に時代が分かるホームスパンの写真のほか、道具や実物といった資料も探している。

 木村さんは「良いものを長く使うという視点からサステナブルな製品が注目されているが、ホームスパンもその一つ。若い皆さんに知ってもらいたい」と話す。「『Meets the Homespun』はホームスパンのお祭り。気軽に足を運んで、触れて、試して、お気に入りを探してみて」と呼び掛ける。

 開催時間は10時~16時。入場無料。

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