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紺屋町番屋の外装の色について意見募集 歴史と親しみある外観を生かしながら

改修工事が進む紺屋町番屋

改修工事が進む紺屋町番屋

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 盛岡市は現在、改修工事が行われている市の景観重要建造物「紺屋町番屋」について、改修後の外装の色に関する意見を募集している。

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 「紺屋町番屋」は1891(明治24)年に「盛岡消防よ組番屋」として建築され、1913(大正2)年に「消防組第四部事務所」として改築されたのが現在の建物だとされている。かつては消防活動の拠点として活用されていたが、その後は市の景観重要建造物に指定され、歴史的な建物として、また「南部火消し」の伝統を伝える資料としても市民や観光客から親しまれてきた。

 一方で、2017(平成29)年の調査により耐震性の課題が見つかり、老朽化が進んでいることもあり今年の3月から改修工事がスタート。構造の補強や屋根・外壁の張り替えなどの工事が進んでいる。改修工事は11月ごろに完了予定で、その後、民間事業者によって今後の利活用に向けた内装工事が行われ、2021年度中にカフェや体験スペースなどを供えた新しい施設としてオープンを予定している。

 今回の改修工事に合わせ、市は外装の色彩について市民などから意見を募集している。景観重要建造物であることから現状の色合いを維持する考えだが、有識者の意見や地元住民の声も踏まえ、広く意見を募ることとなった。

 市が提示している案は、屋根が赤・外壁が淡い灰色・建具枠が白で「現状復旧」のA案、屋根が赤・外壁と建具枠が白の「札幌時計台風」B案、屋根が黒・外壁と建具枠がこげ茶で隣接する建物の雰囲気と合わせた「町家風」のC案の3つ。紺屋町番屋と似たような作りの建物や同時期の建物を参考に色彩を検討した。

 原則としては、類似施設を参照しながら建設当時の状況を復元すること、これまで市民に親しまれた色に配慮することを考え、A案で進める方向性だという。塗装が剥がれた部分をサンプルとして採取したところ、下地の木肌に直接現在の塗料が塗られていることが分かり、古い塗料はないと見られている。現在使用されている色についての文献や写真など確定的な資料はなく、意見の募集と同時に建設当時外観など、紺屋町番屋に関する情報や資料を持つ人へ協力も呼び掛けている。

 意見は市のホームページのアンケートフォームのほか、ホームページから意見書をダウンロードし、記入の上で市役所都南分庁舎2階景観政策課窓口まで持参もしくは郵送でも受け付ける。

 担当者は「おそらくは以前から、現在と同じ淡い水色や灰色に近い色合いだったのではないかと考えられるが、当時の写真資料などは白黒で判別ができない。もし資料や情報をお持ちの方がいたら提供してもらえるとうれしい。長く親しまれた色を生かしたい考えだが、皆さんからの意見も聞ければ」と呼び掛ける。

 意見の募集は7月26日まで。問い合わせは景観政策課景観推進係(TEL 019-601-5541)まで。

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