映画「葦牙」完成-盛岡の児童養護施設舞台に虐待から逃れた子どもたち描く

「葦牙―こどもが拓く未来」のフライヤー

「葦牙―こどもが拓く未来」のフライヤー

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 盛岡市の児童養護施設「みちのくみどり学園」の子どもたちを追ったドキュメンタリー映画「葦牙(あしかび)―こどもが拓く未来」(制作=「葦牙」制作委員会、上映時間=113分)が完成し、6月8日、報道陣向けの試写会と記者会見が盛岡市内の「プラザおでって」で行われた。

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 映画は子どもへの虐待という重いテーマに取り組みながら、子どもたちの未来や家族の再生に願いを込めた作品。手がけたのは、岩手県の旧沢内村(現西和賀町)を舞台に地域医療の現場を描いた長編記録映画「いのちの作法」でプロデューサーを務めた都鳥拓也さんと伸也さんの兄弟(北上市在住)。

 「いのちの作法」の撮影の際に、同町で家庭体験などをする施設の子どもたちとふれあったことをきっかけに、小池征人監督をはじめ、「いのちの作法」のスタッフが再集結。昨年末から4カ月にわたって施設に泊り込み、撮影を続けた。

 撮影では、親から虐待を受けたり、肉親と暮らせない状況など、それぞれに困難を抱える子どもたちの葛藤や施設職員とのかかわり、西和賀町や一関市室根町を訪問して自然や住民とふれあう様子を記録した。画面には虐待する側の親も登場し、自身の心境を告白するシーンも。

 映画のタイトルには、子どもたちの生命力の強さを、葦(アシ)の若芽を意味する「葦牙」を込めたという。都鳥さんらは「施設の中で生活する子どもたちの現実がここにある。ただ、それだけでなく、子どもたちの未来は変われるということも理解してほしい」と話す。

 岩手県内での上映会のスケジュールは、岩手教育会館ホール=7月11日(10時・14時)、一関文化センター中ホール=同19日(10時・14時)、北上文化交流センター「さくらホール」小ホール=8月8日(14時30分・18時30分)、同9日(9時15分)。その後、全国各地で上映会を予定。問い合わせは制作委員会(TEL 0197-67-0714)まで。

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