食材付き月刊誌「東北食べる通信」グッドデザイン大賞候補に-NPO初

「『東北食べる通信』は生産者と消費者のお見合いの場です」と高橋さん

「『東北食べる通信』は生産者と消費者のお見合いの場です」と高橋さん

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 公益財団法人日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞が10月1日に発表され、食材付き月刊誌「東北食べる通信」が受賞。グッドデザイン大賞にもノミネートされた。

「東北食べる通信」9月号は宮城県石巻市の真穴子

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 「東北食べる通信」は東北で生産された特選食材が付いてくる定期購読本で、2013年7月にNPO法人東北開墾(岩手県花巻市)が創刊した。発起人は岩手県花巻市出身の高橋博之さん。岩手県議会議員を2期務めた後、震災後は被災地支援のほか水産業にも携わり「消費者が生産現場から離れた存在だというのを知った。生産者と消費者をつなげたい」と同NPO法人を立ち上げた。

 同誌では、生産者のストーリーや食材の調理法などを掲載した本と食材が毎月提供されるほか、購読者限定のSNSを通じてじかに生産者と交流できるのが特徴。消費者からは食材を調理した様子や生産者への感謝、生産者からは消費者への相談など1カ月に5000件ものコメントのやり取りが行われているという。生産者との交流イベントも盛んで、生産現場での体験イベントなども開催。消費者が特定の生産者と年間契約し、生産者を支援する仕組みCSA(Community Supported Agriculture)の運用にも取り組む。

 高橋さんは「『東北食べる通信』は、食材を食べた後に価値がある。生産者と消費者が交流することで新しい関係が生まれており、自発的に現地へ足を運ぶ人も出てきた。首都圏の人には東北につながりを持ってもらい第2のふるさとを見つけてもらいたい」と思いを込める。

 現在の購読数は首都圏を中心に1450部で、生産者と消費者のコミュニティーを維持できるように1500部で申し込みを締め切るという。一般社団法人全国食べる通信リーグも立ち上げ、「四国食べる通信」や「北海道食べる通信」も創刊された。

 今回は「情報と食が合わさることにより『食べる』という行為にさらなる価値を生み出している」と評され、グッドデザイン大賞にノミネートされた。大賞を受賞すれば1次産業とNPO法人として初めて。大賞は、10月30日から東京ミッドタウンで始まる「グッドデザインエキシビション2014」での一般投票、審査を経て11月4日に発表される。

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