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鉈屋町周辺で「盛岡町家春祭り」 地域の日常とイベントを同時に楽しんで

大慈清水御休み処に飾られたひな人形。春の恒例イベント「旧暦の雛祭り」の形も残す

大慈清水御休み処に飾られたひな人形。春の恒例イベント「旧暦の雛祭り」の形も残す

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 盛岡市鉈屋町・大慈寺町周辺で現在、「盛岡町家の春祭り2023」が開催されている。

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 鉈屋町・大慈寺町周辺では2019年(平成31)年まで、毎年4月に地域に残る盛岡町家とひな人形を公開する「盛岡町家旧暦の雛(ひな)祭り」を行ってきた。2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて開催を見合わせてきたが、今年からは形を変えて春の新しいイベントとして企画した。

 春祭りは開催期間を長く設定し、期間中に周辺地域の町家や小売店、工房、ギャラリー、観光施設などで作品展や雑貨・菓子の販売、ワークショップなどを行う。「旧暦の雛祭り」で続けてきた町家とひな人形の公開も内容の一つとして盛り込み、公開会場をいくつか用意した。

 イベント中の総合案内所でもある「大慈清水御休み処(どころ)」ではひな人形の展示のほか、パネル展や写真展、特別出店などを行っている。各会場や催しの内容、ひな祭りの展示場所、周辺の桜スポットといった情報を盛り込んだマップも作製し、各所で配布している。

 新たなイベントを立ち上げるきっかけとなったのがコロナ禍での経験だった。同イベントの委員会事務局を務めるNPO法人盛岡まち並塾の佐藤淑子さんは「コロナ禍の中で開催されたイベントの多くは、人を分散するために期間が長めに設定されていた。旧暦の雛祭りは2日間の開催のため、とても混雑する。短期間で一気に人を呼び込むのではなく、長期間でゆっくり楽しんでもらえる内容に切り替えた」と話す。

 長期的なイベントにすることで運営に関わる地域住民の負担も減らす。同法人の岩見麻梨子さんは「旧暦の雛祭りでは民家も展示会場となっていて、地域の皆さんが運営にかかりきりになって大変な部分もあった。期間を長くすることで住民もイベントを楽しみ、皆さんのアイデアでコンテンツを作ることができた」と話す。

 「鉈屋町の良さは普段の暮らしと風景にある」と岩見さん。地域の日常が保たれた状態でイベントを楽しんでもらうのも狙いの一つ。佐藤さんは「これまではイベント開催中の、非日常的な鉈屋町の顔しか見てもらえなかった。日常の空気を味わってもらいながら、春らしいイベントのにぎわいを感じて楽しんでもらいたい」と呼びかける。

 イベントマップや最新情報は盛岡まち並塾のウェブサイトに掲載する。

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